ーーーside茜
昨晩のバイトは早上がりだった。昼はカフェでお客様にコーヒーや紅茶を入れ、夜は知り合いのバーでお客様にお酒を出している。どちらもバイトでありカフェは雰囲気が気に入って面接を受けた、バーは知り合いからのお願いで働き始めたがなかなかに楽しい。実際、茜自身は酒が飲める年齢ではないのだが酒を飲みに来る客は見ていても話しても面白い。
そんなバーテンのバイトの帰り、自宅マンション前で黒い髪に青色のメッシュ頭の男が頭を抱えて座っていた。通り過ぎようと前を通る。瞬間に感じるのは先ほどまでバイトしていたバーの客よりもキツい酒の匂い。男は酔いつぶれているらしい。
気付いた時には話し掛けていた。曖昧な返事を返す男を引いて自宅へ連れ帰ったまでは良かった水は零す、服は脱ぎ散らす、更には勝手に自分のベッドへ寝る始末。
「はぁ、お兄さんちょー酔っ払いー」
用意したが着てもらえなかった服をローテーブルに置き、脱ぎ落とされたシャツを拾い上げて脱衣場の洗濯機へ放り込む。ついでと自分が着ていたシャツも洗濯機へ。スイッチを押してそんなに広くないリビングに戻りせっかく出した元彼の服を広げて着る。少し大きいのが気に食わないが仕方無い。男が脱ぎ落としたGパンを拾う。ベルトが飾りのチェーンが重い。半分に折ってソファの背に。
「…オレ…ソファで寝るのか。じゃ、もーふは持ってこようっと」
男が占領している寝室(そんなに立派なものでもない。ただ独りで寝るには広いクイーンサイズのベッドがあるくらいだ)に入る。
「わぁ、お兄さんちょータイプだぁ。いい体…」
寝ている男の顔を茜はジッと見つめる。ボクサータイプの下着だけで寝ている男の体は無駄な肉がなくしなやかそうな筋肉が付いている。腹筋の割れ目が美しい。下着の上からでも分かる盛り上がった局部を見つめてしまい茜は1人赤面して顔を反らした。ベッドから落とされた毛布を拾い両腕で抱き締めてソファへ駆けた。
ソファに背を丸める。きゅんと腰の奥と双丘の間が疼く。決して欲求不満な訳ではないはずだ。特定の恋人はいないがそう言うバーやクラブに行けば相手はすぐに見付かる。
「あーもう…やだなぁ。ヤラシイ子みたぁーい…」
気持ちを落ち着ける為に息を長く吐き出し無理にでも眠ってしまおうと目蓋を閉じる。昼夜と働けば体は疲れている。すぐに睡魔は茜を襲った。


ーーー

茜ちゃん、間違いなく
厭らしい子だよ!(何)
襲い誘い受けみたいな?

スイッチ入れば言葉とか
幼くなっちゃう感じとか
あ、ダメだ自分の趣味が
出てしまう…せっかくの
珍しい長身カップルが…


美鷹 めい