今週はどんな演奏をご紹介しようかとApple Musicを探索していました。しかし一週間の疲れがどっと出たのか、なかなか曲が決まりませんでした。
そんな中、ふと耳を傾けたのがルドルフ・ゼルキン(ピアノ)、小澤征爾指揮ボストン交響楽団によるベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番です。
これが今の気分に驚くほどしっくり来ました。
まず印象的なのは、ゼルキンのタッチです。1つ1つの音をしっかりと鳴らす、少しゴツゴツした手触りの音。この骨太なアプローチだからこそ、2楽章も甘ったるく流されず、感傷的になり過ぎないのが非常に心地よい。音を1つずつしっかりと紡ぎ出していくそのスタイルには、円熟のピアニストならではの凄みを感じさせます。
そして小澤征爾率いるボストン交響楽団の伴奏。これがまた見事です。いわゆる「縦の線」が完璧に揃った緻密でタイトな演奏。ゼルキンの構築美を損なうことなく、それでいて力強く、そして過不足なく寄り添っています。
聴き終えた後に残ったのは、単に快演を聴いたというよりも、深く体に染み渡るような「充実感」でした。今夜はこの気高い響きの余韻に浸りながら、早めに休もうと思います。
