先日、YouTubeで小澤征爾、サイトウ・キネン・オーケストラの幻想交響曲のライブを視た。

 

 幻想交響曲と言えば小澤征爾が昔からよく演奏する曲だ。得意な曲だったのだろう。このYouTubeの演奏は横突起骨折により活動を制限するまえのもの。ライブレコーディングでCD化もされている。

 

 

 

 

 1楽章の序奏から一つ一つのフレーズをいつくしむように始められる。1楽章から気合十分、それに全力で応えるオーケストラ。全楽章を通して小澤征爾の特徴であるきめの細やかな演奏。さらにライブならではの熱気もくわわる。第5小楽章まで一気に聴かせる。

 

 この演奏の時に小澤征爾が80歳だったとはとても思えない気迫だ。さすがに1楽章と2楽章の間に少し椅子に腰かけ休憩するすがたも見られる。それはそうだろうこんな演奏をしていれば休憩もするだろう。

 

 そして改めてサイトウ・キネン・オーケストラがすごいオーケストラであることがわかる演奏だった。特に第1楽章の第1主題の提示部。弦楽器群を押しのけて聞こえる名手ジャック・ズーンのフルート。

 

 あらためて小澤征爾のすごさ、特に晩年のすごさがわかる。さらに小澤征爾のイメージが変わる演奏だと感じた。