アバドのベートーベンで幸せになる

 
 ベートーベンの交響曲第6番をしっかりと聴いたのは何年ぶりだろう。ひよっとすると大学生の以来かもしれない。アバドのベートーベンの録音はいくつかあるらしい。今回聴いたのはウィーンフィルとの演奏。

 第1楽章の出だし、バイオリンが美しい。ここで音楽に引きこまれた。
 
 特徴は金管群、木管群、弦楽器群のすべてがブレンドされた演奏。各楽器のソロも音楽に溶け込み自然と現れる。音楽は穏やかにすすむ。
 
 第3楽章から少し音楽が動く。最後のプレストあたりからホルンが金属的響きの音をだす。次の「嵐、雷雨」を予感させる。
 
 そして第4楽章の「嵐、雷雨」。しかしそれほど激しくは感じない。第3楽章のプレストからの音楽の運びがそう感じさせる。アバド、さすが、と感心した。
 
 フィナーレは再び穏やかなクラリネットソロから始まる。そこからすこしづつクレッシェンドして弦楽器群がフィナーレらしく華やかに演奏。
 
 とにかくアバドの音楽の運びのうまさに感心させられた。各フレーズ間、楽章間の流れがとてもスムーズ。聴く人によっては穏やかで退屈な演奏かもしれない。しかし私は日曜日の朝、この演奏により幸せになった。