The Cars ‐メジャーなアンダーグラウンド・ポップ | 100nights+ & music

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2020年の1年間に好きな音楽を100回紹介していました。
追記)2023年になっても見てくれる人がいて驚きました、感謝を込めて?気が向いた時にときどきまた書こうかと思います、よろしく!

 

アメリカンスタイルのニューウエイブバンド

 ザ・カーズは、1978年にデビューしてすぐにメジャーなバンドになった。

 1988年の解散までヒットソングを出し続けたので、当時の音楽を聞く人ならみんな知っているだろう。とてもポップで分かりやすいのだが、どこかに尖った部分があって好きだった。

 ニューウエイブ、パワーポップ、パンクロック、テクノポップ、アンダーグラウンド、ロックンロール、どの影響も強く受けている感じにオリジナリティがあったと思う。

 デビュー前のデモテープに入っていた「Just What I Needed」がボストンのラジオ局で流れ始めてから、スーパーバンドになるまではすぐだった。

 

Just What I Needed


 カーズの曲は、バンドを結成した2人のフロントマン、ほとんどの曲を書いているどこかダークさを隠せないリック・オケイセックと、カリスマなロックスターみたいなベンジャミン・オールがヴォーカルを分け合っている。


 セカンドアルバムに入っているリック・オケイセックが歌う「Dangerous Type」もいいが、リックの曲をベンジャミンが歌うことでスーパーバンドになったんだろうなとは思う。

Dangerous Type

 
 カーズは、1987年に解散するまでに6枚のアルバムをリリースした。
 シングルを作る才能がありすぎてポップバンドの印象が強いが、アルバムにはバンドのいろいろな要素や実験が入っている(シングルのポップな印象が強くて、当時は逆にあまり聞かなくなっていたが)。

 5枚目の『Heartbeat City』が最も売れた。

 アンディ・ウォーホールによる彼らしいイカレた映像がついた「Hello Again」や、どこか後期ロキシー・ミュージックのような美しい「Drive」、リックがハエになって女性に付きまとう変態チックな映像がついた「You Might Think」など、1980年代のアメリカを代表するアルバムになっている。

Drive

 

 癖のあるリック・オケイセックの歌い方は、何だかテレビジョンのトム・ヴァ―ラインみたいだなと思っていた。
 後に彼がジョナサン・リッチマンやスーサイドというニューヨーク・アンダーグランドの影響を強く受けていたと知って、こんなにポップな音楽はほとんど聴かないのに、例外的にカーズを気に入っていた理由が分かったような気がした。

 リックは、1986年に爆発的に売れたカーズを休止して2枚目のソロアルバム『This Side of Paradise』をリリースした。
バンドほどの大ヒットはしなかったが、当時はカーズのどのアルバムより気に入っていた。

Keep On Laughing

 

 カーズは1987年にアルバムを出して、いつの間にか解散していた。

その後2000年にベンジャミン・オールが亡くなり、彼を除いたメンバーで2011年にもう1枚だけアルバムをリリースしている。

 カーズで最初に気に入った曲は、セカンドアルバムに入っているポップなニューウエイブっぽいロックンロール「Let's Go」だった。
 いま思うと、リックの持つどこかマイナーなアート感覚とベンジャミンのメジャーなセンスのマッチングが当時の自分にとってちょうど良かった。
 それは世界中の人にとっても、そうだったんだろうと思う。

 

Let's Go