Pixies -太った凶暴な妖精たち | 100nights+ & music

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2020年の1年間に好きな音楽を100回紹介していました。
追記)2023年になっても見てくれる人がいて驚きました、感謝を込めて?気が向いた時にときどきまた書こうかと思います、よろしく!

 

年齢を超えたラウドミュージック

 

ピクシーズのことを最初はイギリスのバンドだと思っていた。イギリスの4ADレーベルから1988年に出したファーストアルバムのジャケットは、とてもセンスがよかった。

ただ何だか気の抜けた変にポップなロックに聞こえて、このどこか歪な感じが個性だということが分からず、最初は関心が持てなかった。

 

その印象は、セカンドアルバムの「ドリトル」を聞いて一変した。

曲の途中で突然音をでかくするバンドと女性のコーラス、ほとんど意味のない歌詞を絶叫するロックスター的なカッコよさは皆無の太ったボーカリストは、他に似たバンドがない唯一無二の個性を持っていた。

 

このアルバムには、子どもの頃の愛読書だったドリトル先生的なホノボノ感がゼロの、「動物実験で天国に行くサル」みたいなジャケットがついていた。 

 

“Tameという2分の曲を初めて聞いたときは、驚いたというか爆笑した。

当時のライブ映像をみると、ボーカルのブラック・フランシスは、どう見ても変質者そのもので最高だ(笑)。

 

Tame

 

サードアルバムの「ボサノバ」を一番よく聞いた。

サーフロック“Cecilia Annのカバーから始まるこのアルバムには、凄い名曲が入っている訳ではないが、全体を通してポップで不気味で不穏な感じが気にいっていた。

 

Cecilia Ann / Allson

 

 UFOとの遭遇を描いた“The Happning”では、「ハロ~」と歌っている。

ピクシーズに影響を受けたニルバーナの“Smells Like Teen Spiritの「ハロー」より、何だかずっと不吉な挨拶に聞こえる。

 

The Happning

 

 ピクシーズは4枚目のアルバムを出して1991年に解散した。

 再結成後の2014年に5枚目のアルバム出した後に、2016年と2019年にもアルバムを出している。

 

 若い頃は、ピクシーズのようなタイプのバンドは50代になったら聞かないだろうと思っていたが、まったくそんなことはなかった。

 「ドリトル」の1曲目に入っている“Debaser”は、いまでも疲れた時に爆音で聞いている。人は年をとってマシになる部分も少しはあるだろうが、本質的な部分は成長なんかしない(というかする必要がない)っていうことなんだろう。

 そしてそれで何の問題もなかった。

 

Debaser