2021 東京インターナショナルオーディオショウ | 禁断のKRELL

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ハイエンドオーディオやヴィンテージオーディオを語っていきます。

 

 

 

 

 

 

 

2021東京インターナショナルオーディオショウ に行ってきました。

 

 

 

大阪から夜行バスで早朝に東京駅近くにある、鍛冶場バスターミナルに着きましたが、

 

 

会場の東京国際フォーラムはバスターミナルから歩いて数分と目と鼻の先にあります。

 

 

 

イベントの開場時間は午前10時からです。

 

 

数時間前から入場口付近で待機していましたが、目の前を黒服の人たちが

ゾロゾロ通っていったけど「受付開始は9時45分から」 だと言っていました。

 

 

寸暇を惜しんで各ブースを回りたかったので、事前にコンビニを探して弁当を買って準備しました。

建物の中にも飲食店はあるけれど、その数は少なく、価格も大阪の水準からすると相当高いです。

大阪人の金銭感覚はシビアーで、500円のワンコインで良い感じのランチが数多く存在します。

 

一度地下に降りてから飲食街を抜けて地上に出るとセブンイレブンがありました。

 

 

スマートフォンのGoogleマップを使おうとするとなぜか強制終了するので難儀しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まず最初に行ったのは、2018年に超満員で入れなくてトラウマだったLUXMANのブースから、

FOCALは頂点に立っているB&Wに次ぐ世界のハイエンドスピーカーブランドのナンバー・ツーに位置しています。

色気があり、官能的な音も聴ける素晴らしい高性能ハイエンドスピーカーです。価格の急激な上昇がネック。

 

 

 

 

 

 

世界最高峰の300BシングルパワーアンプLUXMAM MQ-300

 

 

 

 

LUXMAM MQ-300 今年は展示のみで鳴らさないそうです。大阪では一度だけ聴く機会があり

ました。300Bアンプの頂点を極めようというメーカーの決意が篭められたまさに超一流の製品です。

AIR-TIGHT ATM-300Rがジャズ向きの力強く前に出る音なら、

こちらは奥に引っ込む音で、両スピーカーの奥に広大な音場が後方展開する

ヨーロピアン・トーンでクラシック向きの音ですね。音質は落ち着いた感じですが、

音楽性の作りこみは素晴らしく、その完成度の高さ、音の総体として随一の実力でしょう。

現代ハイエンドのクオリティーの高いサウンドでもあります。

LUXは流石の老舗の実力で真空管アンプのトップブランドだと思います。

 

 

やはり関心毎はWestern electric 300Bを差して、Westernの音の素性が聴けるかということですが、

 

 

「WE300Bは持ち味のよさが非常に出にくい使いこなしの難しい球ですが、WEを差した場合はどうですか?」

 

 

「まずこちらのアンプは高槻の300Bを使うことを前提に設計しています。WE300Bですが、それは我々の方で

差し替えて実際試しました。WE300Bの特徴は出ます。当社では保証はありませんが、動作も大丈夫でした」

 

 

という回答を頂きました。

 

 

 

 

 

 

 

 

Accuphaseのブース 新製品のフラッグシップCDP/DACと最高峰セパレートアンプを FYNE AUDIO のスピーカで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

DYNAUDIO JAPAN インター初日の金曜の開始時刻付近でしたから、まだブースはガラガラで見放題、

聴き放題です。『かなり人数絞っているからね〜 席埋まらないんじゃないかと』DYNAUDIOの人が言ってました。

最終的にやはりコロナ禍に配慮して座席券を配ったり、公演時間前に並んだりして人の入れ替えはありました。

 

 

 

 

 

 

 

 

ノア/アークジョイアのブース

 

 

野田社長から牧野さんに社長が交代したようで、各機器の試聴時間も印刷した

紙を配って丁寧にアナウンスされ、色々と配慮されているブースです。

ブースの空間が広すぎて音が散漫になるのを考慮して、凹凸を持たせたペーパーでブースの

エアボリュウムを絞り込む事できちんとした音質で聴けるように、きめ細やかに心を配っています。

 

AIDA2を Burmeste ART FOR THE EAR 159 モノーラルパワーアンプで鳴らしています。

ダンピングファクターをフィックスド/4006 バリアブル/102にリモコンで切り替える事が可能。 

 

 

2021/11/5 インター初日の金曜日が発売日でした。

 

 

今回の目玉ですね。価格はペア4000万(税別)で重量180kg

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「色気のあるスピーカーケーブルが欲しい」とハイエンダーな知人に相談を持ち掛けたところ

Siltech『トリプルクラウンが良いよ』と勧められたのを思い出しましたが、

個人的にはやっぱりNordostがお気に入りですね。世界中のオーディオショウでも

あれだけ多くNordostが採用されているのは説得力がありますね。

 

あとはcrystal cable のスピーカーケーブル これも凄く色気や気品がありました。

 

 

 

 

 

 

 

ノア/アークジョイア エステロンの1300万の巨大なスピーカを創業者シリル・ハマー氏の設計した

SOULUTION 711でドライブする。 SOULUTION の母体はシュテモットという羊の毛を刈る

モーターを作っている世界的な企業である。内部にはムンドルフのコンデンサーを使っている。

巨大な密閉型で鳴らしにくいエステロンのスピーカーも悠々と駆動していましたね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

JBLとステレオサウンドが共同で出しているアナログレコード、アイコニック。

人気で売り切れ寸前。ラ・ラ・ランドを鳴らしましたが、CDよりかなり音がよくなっていてびっくりします。

 

 

 

 

 

 

 

 

タイムロードのブース

 

 

音楽ソースはTIDAL iMacからアップスケールしてDAVE を2台の

贅沢なモノ使いからCHORDのセパレートアンプへ、NODE HYLIXAという

14kgしかない英国の点音源のスピーカーで、音を浴びるというより、空気感を感じる音。

 

 

タイムロードはいつも「新しい音」がします。ちょっと他では聴けないような音、最先端の音、先進的な音ですね。

 

 

でもB&W802D3を使っていた前回の方がもっと良かったかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エレクトリのブース 

 

 

Western electric 300B ウエスタンエレクトリック の展示のあるエレクトリで聞いたのですが、

飾ってあるタペストリーやパネルなどのアメニティは売ってもらえるのですか?と尋ねると、

 

『それは、ちょっと待ってくださいね、担当のものが・・・・・おーい!飯塚くーん!』

 

担当者に回答していただいたのですが、販促用にアメリカから送ってきたもので非売品だそうです。

 

 

 

1988年がWE300Bの最終生産年度とされていますが、WEの正式回答としては1990年が最後。

ただし、巷に出回っている300Bに90から始まる四桁のシリアルナンバーのものは少なく88で始まるものが多い。

2021年製造の再生産品はトライオードのブースで初めて聴きましたが、甘美なWEの音はしていました。

しかし、やはり音は違います。オリジナルとは思い切り違っていた、コケるほど違うのですが、

現代のデジタルサウンドにも対応した洗練されたハイエンドサウンドで新生WEもなかなか乙なものです。

 

 

エレクトリのブースは展示される製品は多いのですが、もっと多くの製品の音が聴きたいです!

 

 

 

 

 

 

 

インターは金曜と土曜の二日間行ったんですが、Nordost OdinⅡは待機中でした。

Nordost Odin は世界最高のスピーカーケーブルだと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次世代モデル NORDOST 新フラグシップケーブル Nordost Odin Gold も発売されています。

 

 

 

 

 

 

 

 

太陽インターナショナルのブース

 

 

 

AVALON Precision Monitor 4 を鳴らしていました。ハイエンドの高性能と高い次元の

音楽性が融合したもの凄い存在感のある音がしていました。大変に個性的な音であると言えます。

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

スーパー・ハイレゾリューション真空管パワーアンプの Phasemation のブース

 

211パラシングル モノーラルパワーアンプの試作機が鳴らされていました。

同社のアンプの音の印象は以前と違っていて、官能的な音色で鳴っていましたが、

これは恐らく想像ですが、FYNE AUDIO のスピーカーの支配力でしょう。

オーディオの音はスピーカーで8割くらいは決まってしまいます。鳴らしにくい密閉型や

巨大なスピーカーをきちんと鳴らすにはFM acousticsのようなアンプが非常に威力を発揮しますけど、

 

 

 

 

 

 

 

AIR-TIGHT のブース

 

 

 

 

AIR-TIGHT ATM-300R は同社で最高の人気製品 The Absolute Sound誌の2020年度

ベストチューブアンプ・オブ・ザイヤーという管球アンプにおける最高賞を受賞してる。

また三年連続でゴールデンイヤーサウンド賞も受賞している。三浦社長は大学時代バンドを組み

三浦会長のご子息でアメリカ暮らしが長かったので、米国誌などの情報にも詳しい。

 

 

AIR-TIGHT ATM-300R 出力9wなので推奨されるスピーカーの能率は92dBは最低欲しいライン。

87dBだと拙宅の 5w 300Bシングルアンプだと「音が出る」程度。ただステレオサウンドの試聴室で

リファレンススピーカーのB&W800D3がもの凄い音でガンガン鳴ったそうだ。

本当にクオリティーは旧製品よりかなり上がってます。

 

 

 

営業の須田さんに尋ねると

 

『会長の持ち物である1986年?のWE300Bで鳴らすとメチャメチャ色っぽい音がしますよ!』

 

 

と仰っておられました。

 

 

ATM-300Rはワイドレンジで抜群のS/N比で現代ハイエンドアンプのクオリティーがあり、

ため息が出るほど見事な完成度の高い300Bシングルで、ひじょうに力強くバシッ!と鳴りますね。

音が前に出る!AIR-TIGHTのアンプでは図抜けた音で、飛びぬけて一番のアンプだと、

知人の取締役のディーラーの方と意見が一致しました。

 

 

鳴らしていたavant-gardeは能率107dBで、ウーファーはビルトイン内蔵アンプで起動するアクティブ型です。

300Bシングルって、ボーカルを聴くのには一番のアンプなんですよ。

音の質感を大事にする人にとっては最高のアンプで、これ買ったらアガりだけど、

合うスピーカー少なかった。300Bシングルアンプにはベストマッチである。

 

 

 

付け加えると、211シングルの音も聴きましたが、これも毅然とした剛直な音で、堂々としており、

とても素晴らしい音でした。スピーカーはトールボーイ型の

STUDIO FRANCO SERBLIN Accordo Essence でしたが、

このスピーカーの支配力も加味しなければならないので

アンプの評価は難しいのですが、こちらも素晴らしいアンプであるように感じました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

TRIODE のブース

 

 

TRIODE TRZ-300W パラシングル 300B プリメインアンプ パワーアンプ 2021年製 WE300B 4本で鳴らしています。

出力は20wもあり、300Bシングルの出力が足りない事に悩まされる我々からすると待望の製品です。

 

 

下記のリンクから空気録音で2021年製造の再生産 Western electric 300Bの音が聴けます。

WEの甘美な音色が間違いなく出ていました。

 

 

 

TRZ-300Wはプリメインアンプですが、

 

 

山崎社長 『TRZ-300Wは不要な回路は全部切って完全にパワーアンプとして使用できますから』

 

 

「それでも純粋なパワーアンプとして貴重な300Bパラシングルのパワーを出してほしいですが」

 

 

と食い下がると、

 

 

山崎社長は 『うちは零細企業だからさ、そこまでの対応は難しいです』 との回答でした。

 

 

 

これは正直に云うと、良いアンプだと思いますが、同社のプリメインアンプ MUSASHI-武蔵-の方が完成度が高く、

音の印象がよいですし、AIR TIGHT ATM-300Rには敵わないです。値段が二倍違うのだから仕方がない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

AccAのブース

 

 

YG acousticsのスピーカーはやや金属的な音で、彫りが深く、落ち着いたしっとりした音ですが、

「音の性能」では圧倒的ですね。レゾリューションが凄い。ただ金属のスピーカーで
密閉型だとひじょうに駆動力を要するので真空管ではまず鳴りません。
低域が痩せて鳴ってないように聴こえる。(あるいは遅れて聴こえる)

また 15cm 二発なので、音の総エネルギー量にも乏しいのでお勧めしにくいところではあります。

B&W D4 シリーズが一世代で精巧さやS/N比もかなり上がっている、

音の欠点もなく、個人的にはB&W D4シリーズの方がお勧めですが、

音の解像度や静寂感、そして広大なサウンドステージの広さではYGは圧倒的な性能です。

 

 

 

ただ個人的にはYGのスピーカーにはNordostのハイエンドラインのケーブルは必須だと思う。

音質的にもマッチングが良いし、金属のスピーカーのネガティブな要素を上手く

補えると思う。AccAのブースに関しては、今回は後ろに回り込んで接続ケーブルを確認したりは

していませんが、河口無線の試聴会と、大阪ハイエンドオーディオショウで二回、

後ろから接続ケーブルを確認したことがある。Nordost Valhalla2の一点豪華主義で

そのときはラインケーブルや電源ケーブルにはそれほど高価なものは使っていない模様でした。

 

つまり、音の最終出口であるスピーカーケーブルは投資対効果が大きいと言えます。

 

 

Nordost ValhallaのXLR cableは 所有していたことがあります。

 

 

音のヌケがよく瞬発力があり、きわめてハイスピードなケーブルです。

Nordost はラインケーブルが良いという人もいますが、

僕はNordost はスピーカーケーブルが一番優秀だと思います。

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

YGはVANTAEとCARMELも聴きました。どちらもすごい完成度のスピーカーで、

お勧めなのはバンテージ、YGはやや外観が無骨なのがウィーク・ポイントでしたが、

シルバーの外観が非常に美麗であること!コスメティックな外観の美しさにも

新たに配慮が加わっていて、音質も廉価版であることを一切感じさせない

クオリティの高さでしたし、上位モデルのHaily2.2を既に買った人が

嫉妬しそうな出来栄えでした。これは素晴らしいスピーカーだなと。

ただ、カーメルを買うよりは、B&W 805D4を選択された方が良いかも知れない。

 

 

 

 

 

 

 

 

プレイバックデザインズ これまでアンドレアスコッチの片腕でアナログ回路を担当してきた

ドイツ人技術者がデザインしたステレオ機では世界最大クラスの137kgの巨大パワーアンプを

聴きました。甘美で実在感のある音で、鈍重さは少ない。凄い音!!

 

 

 

 

 

 

 

ヨシノトレーディングのブース

 

 


ヨシノトレーディング では EAR912 EAR509Ⅱが鳴らされていました。


 

 

 

EAR300B PPで出力は30w 世界初と思う300Bアンプでモノーラル(60w)に発展可能。

ティムさんが「誰もやってないことをやってやろう」の精神で実現させた。

EAR300Bは 写真をよく見ていただけると、2台あるが、手前の方が

モックアップで中身はなく、奥に置かれていた方がプロトタイプで

回路は完全に完成しており、鳴らせる状態のものだが、

世界中のオーディオショウを回って来た関係で調子が悪く、

初日に電源を入れてみた結果、コンディションが芳しくなかったので、

今回は稼働を見合わせていた。

 

 

EAR300B PPアンプだが、このアンプはWE300Bの音を聴くというより、

ティムさんの音、「妖艶な音色で、倒錯的官能美」な世界観はEARのアンプ全製品に共通のものだから、

球の違いを聴きたい人には不向きであるとのご意見を伺いました。

 

 

ティムさんは癌の発覚が亡くなられる数年前で、生前に最後の作品であるEAR 300Bを完成させていた。

未だに発売の見通しが立っていないのは『生産体制が整っていないから』という回答でした。

つまりは作ってくれる工場を現在探しているところなのだそうです。

 

(と、ヨシノトレーディングの担当の方との会話を記憶しています)

 

 

 

 

 

 

 

 

展示のみでしたが、 EAR V12の筐体がすごく大きく存在感があるのが印象的でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

来日した米国JBLのエンジニアが芳野社長に挨拶に行っていました。

優しく暖かい人柄が見た目からも滲み出ていて、心が暖かくなる光景でした。

音楽に愛情を持ち、オーディオを作る仕事は人間に誇りを持たせてくれるし、

人間性を高め、豊かにしてくれる。後パラヴィチーニさんが欧米でも尊敬されている方だからでしょうね。

 

 

 

 

 

 

 

ハーマンインターナショナルのブース

 

 

 

「75周年のアニバーサリー 新フラッグシップは今回お披露目されないのですか?」

 

と質問したところ、

 

「あ〜!それはもうずっと前から常に開発中で、全然上がってこないですね。

情報も聞いてないです。まだまだ先になると思います」

 

「近日中に発表ってことはないと思いますよ」

 

それでも気になったので翌日にまた別のスタッフにも同じ質問をしましたが、

 

やはり回答は同じでした。

 


 

 

 

 

 

 

 

 

ステラ/ゼファンのブース 訪問したのが開始時間からすぐでしたので音出ししていませんでした。
新生GOLDMUNDの音が聴きたかったのですが。
 
 
 

 
 
 

2021東京インターナショナルオーディオショウは若い男性や

一人で来ている女性が本当に多かった。以前から増えていると思ったが

格段に増えたと言えます。これは相対的にコロナ禍でオーディオファンに

占めるボリューム層である熟年男性が人手が多く混雑するイベントへ

の外出を自主的に控えたのが大きいからでしょう。

 

 

 

 

さて、今回のインターナショナルオーディオショウの総括ですが、
AIR TIGHT ATM-300R B&W 802D4 そして805D4が良かった。
いろいろと見聞を深めることができたし、多くの刺激を貰えたイベントで行ってよかったです。