【MJオーディオフェスティバル WEST 会場 河口無線 シマムセン】
無線と実験主催。大盛況でした!関西では初開催となります。
金田明彦氏の新作発表会は立錐の余地がないほど人が多すぎで入れません!
会場は立ち見どころか入口の外の通路にまで人が溢れている!
金田 明彦先生 作品発表会 (ニューチューブ) Nutube ハイブリッドプリ、
Nutube ハイブリットDA/C Nutube ハイブリッドパワーIVC
300Bシングル DP-500 モーター制御アンプ
最新作聴きましたけど、金田先生の作品はやっぱりスゲー! とんでもないわ(笑)
やはり自作系は金田式がナンバーワンでしょう!!
ラッパがホーンとはいえ、他を圧倒する広大なスケール感と、
強大な音楽の推進力!金田式はホーン型スピーカーに向いている音なのだが、
ちょっと聴いただけでタダ者ではない事が分かる。
マルチアンプ方式にした時にユニットから出る音の勢いが全然違うけれど、
ネットワーク式スピーカーをマルチにしたような勢いをスピーカーから感じますね。
迫力があるといっても、ちょっと昔風の巨大なハイエンドアンプのような誇張感だとか、
ハッタリを効かせたものではない感じですね。
しかし、この音圧の高さは、
今までの常識からして、とてもこんなに小さいアンプから出ている音だとは信じられない!
初めて聴く新世代真空管 Nutube とのハイブリッドとの事だが、
音は半導体の音という印象に感じられ、音色に関しては若干暗めで威厳がある音。
例えるなら、どこか英国の伝統的な渋さを連想させるもので、クラシック向けだろうと思う。
その質感は極めて高い! 「金田式はおかしいからw」 と友人が語っていましたが。
玄人向けではあると思うが、経験豊富なベテランなら音の凄さは立ちどころに分かる。
金田さんは魔法使いではないか!?他とは次元が違う!
最先端の新開発次世代真空管 Nutube というデバイス、「本物の音」 と遭遇した!
大人数の会場で爆音で鳴らしていたので本来の音より若干歪みっぽかったかも知れない。
写真は河口無線の裏側の駐車場で列を作りイベントに並ぶ参加者のみなさん。
今回学んだことは金田先生のイベントは人気があり一時間以上前には来ないと
座れないですね。一時間半以上立ちっぱなしになるしスピーカーも遠くからになる。
ただ金田先生の発表会は相当な爆音で鳴らすらしいから?後方でも少しは
参考にはなるでしょう。友達にもそれとなく言われていたけど甘く見ていました。
第一回と銘打って入るものの、次回があるかも分からないし、
MJ誌を毎月コツコツチェックするのも大変だ。Webでも告知あるのかな?
このイベントの受付はでんでんタウンのメインストリートを写真の所から東に入って
すぐ右手にあります、写真の建物で行います。受付で1,000円を支払いカンバッジを貰って
服に身に着けるか、または携帯してそれを身分証として各会場に自由に出入りするという方法です。
受付のあるシマムセンの別館CYMAの1F-3Fでもイベントが行われます。
シマムセンの別館CYMAの会場では再生スピーカーは MONITOR AUDIO PL300 120万 を使用した。
金 貞孝氏 (大阪府) カソードチョークドライブ300Bシングルモノラルパワーアンプ
【第一回 MJオーディオフェスティバル WEST 】
クッキリした分離の良さがありながら、ハーモニーが交じり溶け合う美しい表現。
グレーのトランスはWesternであろうか??金氏の話はオーケストラが中心。
子供の頃から熱心にここ大阪の日本橋に出入りしていたというご自身の原体験を語られる。
篠 義治氏 (東京都) カソードチョークドライブ50シングルアンプ
【第一回 MJオーディオフェスティバル WEST 】
濃密な色気や艶やかさが濃く感じられる、女性ボーカルは本当に絶品!このアンプの音は大好き!
音質はスロー、ソフト、リッチだが、切れ味も良く、輪郭線が立体的に宙に浮かび上がり、
乱舞する快感があり、ゴージャスな金管の輝きや余韻の美しさもキラリと光っていた。
竹村浩二氏 講演【第一回 MJオーディオフェスティバル WEST 】
竹村 浩二氏 (大阪府) 300Bドライブ 211シングル モノーラルパワーアンプ
【第一回 MJオーディオフェスティバル WEST 】
外観が素晴らしく洗練されていてまるでメーカー品のようだ!とても自作品とは思えない。
思わずグっと前のめりになり、これだけでも「音を聴きたい」と思った。制作費用はペア60万だそうで
WEの球は20万も掛った。GEの球は1~2万。トランスはオークションで入手されたもので28万だという。
他のアンプとの比較では相対的にいえば音質は現代的となるだろうか、ハイファイ志向で
くっきり、はっきり、すっきりした音。温度感は適度にあり、真空管特有の滑らかな聴き味のよさもあり、
相当なレベルの作品であると云えるだろう。すっきりした薄い音に感じられ、音楽の表情の複雑さや
色彩の豊かさは比較すると僅かに乏しいのかも知れないが、物理特性の高まりを見せる。
正常進化したサウンド志向だと解釈できるだろう。アンプは使いやすいオートバイアスと、
そのままオーディオメーカーを企業できそうな高水準な仕上がりのアンプでした。
宮沢 元氏 (千葉県) 直結ドライブ 300B シングルパワーアンプ
【第一回 MJオーディオフェスティバル WEST 】
小気味いい切れの良さがあり、小さいアンプだが活力に溢れ、力がありダイナミズムが凄い!
ミニチュア菅で音が相当変わるアンプ。いい意味で緊張感がある音で、爽快さがあるし
スリリングさや歯切れの良さもある。これは痺れる音だ!!アキュレートな正確性にも優れている。
読者の方の自作アンプ発表会はどれも音が良かったと思います。
河口無線 4F ホールの大会場で司会の方が質問して参加者が挙手していましたが、
来場者の中でMJ誌の読者は会場の70%くらいでした。
いよいよそのメイン会場の河口無線4Fレッドステージに移動です。
こちらが河口無線4F会場のメインスピーカー 能率は約95dB
今回は最前列と二列目の2.5mの位置で試聴しました。
柳沢 正史先生 作品発表会
カソードチョークドライブ 845シングルアンプ 同100THシングルパワーアンプ
柳沢先生はジャズとボーカルの選曲が多い。驚いたのは弁が立つこと!
頭脳明晰にして博覧強記、驚くほど頭が切れる方で、一切の淀みなく喋り続ける!
ハキハキ明朗で言葉に詰まる事が一度もなければ、話題も豊富で先生の
話し振りは流暢で自信に満ちていた。話の内容が大変分かりやすいのである。
845の送信管はRCAの希少品。笑顔で 「どうだ!(笑)」 自慢されていた(笑)
柳沢先生の作品はオートバイアスの無帰還アンプで、先生自身は甘ったるい
女性ボーカルのファンだそう。音質はクリアでピュアな音だが、色艶のよさも
濃く出ていた。JAZZ向きの彫りが深い克明な輪郭線を描きながら、
真空管らしさも心の底から満喫させてくれる。まさに円熟した音の領域である。
現代的な鮮度感やトランスペアレンシーも高いという完成度の高まりをみせる。
お宝ディスクを次々と披露しながら、聴き惚れるアンプの
音色の良さを聴かせてくれる。先生が丹念にデザインされたと思わせる。
845の方も適度なチューブテイストで音色には魅力的な輝き感もある。
DFは3.125であるそうだが、聴感上ドライブ感は十分である。
柳沢 正史先生 作品発表会時の会場の様子を収めたスナップ。
征矢 進先生 作品発表会
一枚目の紺色のモノーラルが913シングルパワーアンプ
二枚目の白色がCEPシングルパワーアンプ WE416B
征矢 先生本業は信州の酒屋の経営者でいらっしゃいます。CEP-120は透明感があり見通しがいい。
しかし真空管らしいエコー感は多い。現代的な鮮度感に傾倒した音ではなく、とても心地いい音色。
鳴りっぷりもまた良い。女性ボーカルは素晴らしく、ピアノの打鍵のアタックには芯がある。
パワーはともに内部電圧1000Vがかかっている。ヘッドフォンアンプにはニュービスタ2D04を使っている。
「昇圧トランスを使わないので前列の方にはハムが取り切れなくてちょっと耳に触るかも?」との事です。
913シングルは当初東京ゼネラルのトランスを使っていたが、ファインメットコアトランスに換えた。
フロント側からみてアンプの外に露出している写真の小さい黒いトランスだが、
これを入れて低音が締まった。「ファインメットコアは高いだけはある」と評価されていた。
その通りで低音は確かに締まっている。813は大きなモノラルアンプだけど音はゴツくなり過ぎない。
ベルリオーズの交響曲を大音量で鳴らしても微塵も揺るぎない音でしたが、たまにクリップする。
ハリがある音で、巨大なアンプらしく音は堂々としている。発表会のファイナルはデュークエリントン。
試行錯誤を繰り返したであろう作り込みの上手さが光る。丁寧に磨き抜かれブラッシュアップされた
洗練された音を求めるならハイエンドだけど、ハイレベルの自作品の音も凄いですね!
発表会終了後、征矢進先生に813とCEP-120について直接訪ねる。
「813は8Ωで35wある、120は18wです」
「EVERESTを鳴らせるか?全然問題ない。バンバン鳴らせますよ!82dB~83dBのスピーカーも鳴らせますからね!」
と征矢先生は自信たっぷりに語っていた。
813の内部の写真、赤い部分だけ1000Vの電圧が掛かっていて大変危険。
「他のアンプの中には2000~3000Vの高電圧がかかっているものもありますね」
ご本人はTADの4Ωの大型スピーカーを使っている。
「出力が構成や規模に対して大きいようにも思いますが?」 と質問。
「出力が大きいと実際には使わなくても音の余裕に繋がりますから」
CEP-120はオールTANGOトランス 813はオールNOGUCHIトランスであった。
ファインメットコアトランスも同じノグチ製。
CEP-120はステレオ機ながら、音色のよさでは金田式以外ではもっとも気に入ったアンプだった。
音の強靭さ、鳴りっぷりの良さ、マイルド&ホットな古典アンプ的な趣きも少しある。
筆者のメモに 「このアンプ欲しい」 と書き残してある( ..)φ
ただ、読者様の自作機も印象的なのものがありましたね。
金田式DC録音 タイムマシンレコードの販売会場だったかな?
デジタルだけど、アナログと拮抗した音が出せる録音である。
金田式DCマイクを2本使い全くミキシングを使わない方法である。
ジャズのベースやトリオを聴いた。女性ボーカルはすんごく良い音で欲しいと思ってしまった。
ジャズはあまり欲しくないと思った。
【女性のオーディオ・ファン】よくある旦那に連れてこられた人という感じではなく、
河口無線の大会場の方に金髪に近い明るいブラウンの髪の綺麗な若い女性が
女友達と二人連れで来ておられまして眼福でした。男女比率は男性85%、
女性15%で大阪ハイエンドショウと比べて明らかに女性が多かったので意外でした。
女性は無機質な機械であるオーディオを敬遠するけど、真空管機器は暖かみがあり、
ガジェットとしては親しみが持ちやすいから、意外と好まれるかもしれないなあ。
レッドステージ(大会場)の発表会の第一回は15%だったけど、第二回はCYMAの方に
行ってしまったのか、一人か二人だったけど。
真空管機器には女性が好きな情緒があるから。男性は狩りに必要な空間認知能力が
発達し、女性は共感を大事にする。そんなことを漠然と思いました_(._.)_
第一回 MJオーディオフェスティバル WEST 読者の自作アンプ総括
読者の方の自作アンプはハイレベルで、ビルダーにより音の違いがよく出ていた。
共通して感じられたのは音の盤石感、動作は300Bシングル、211シングルながら
大音量時でも破綻が少ないだけではなく、自作アンプながら安定性の高さが
出音からも感じとれた。(動作トラブルなし) 年代物のアンティークの管球機は
ごく微量ながら音が濁ったり、雑味を感じさせたり、歪み率の高さや高域にザラ付きを
感じさせる物もあるが、こうした新しいアンプは透明度もより高く、濃密な傾向ながら
鮮度感においても優れているし、汚れがないピュアな表現力が好ましく感じられた。
一方でやはり表現力は年代物の古典アンプに遠く及ばない。
だが古典アンプの名機があれば自作アンプは不要なものだとは思わない。
さらに今回の自作アンプたちは、現代の一般的な市販管球アンプの
水準からするとホットな温度感が高く、カラフルな色彩感に包まれるという
「音の濃さ」、典型的な管球機の好ましい聴き味がよく出ていたように思う。
音が薄味にならないのだ。現代ではUNISON RESEARCH を筆頭に EAR や
AIR TIGHT などに残されているが、少なくなっている。
EAR mono block のようなゾクッとする妖しいまでの色彩感や
「作り手の顔」をまざまざとイメージさせる「音の個性」では自作アンプ群はそこまでの
表現力は持ち合わせていない。EARのアンプは若干線が細く、低域がスッキリした痩せ型
の音。自作アンプたちは低音もしっかりとしたひ弱さの無い下支えの確かさを感じさせた。
篠 アンプは切れ味が良く、カチッとした硬質感のある輪郭線が立体的に宙に浮かび上がり、
乱舞する快感があり、ゴージャスな金管の輝きや余韻の美しさもキラリと光っていた。
宮元 アンプは小気味いい切れの良さがあり、小さいアンプだが馬力があり活力に溢れている。
音が前に出る、心地よい緊張感のある音で、スリリングな歯切れの良さもある。痺れる音だった。
300Bシングルだからクラシック向けだろうという枠に収まらない個性の違いも出ていた。
次回も是非参加したいイベントでした。来年も開催を楽しみにしています_(._.)_