九州遠征 I l様邸訪問 ②
福岡県の南端にお住まいの、I 様のご自宅を訪問させていただきました。
60インチの液晶テレビが40インチくらいに見えます。
まだ現役世代でご自身で商売をやられている方で、とても明るく快活でハキハキと話される
オープンな性格の方でいらっしゃいます「一度聴きにおいで~」とお呼ばれしましたので、
グズグズと決断できない優柔不断な性格の筆者ですが、こんな千載一遇のチャンスもないと
思い切って高速バスに乗って九州まで参上しました。なんだかドキドキです。
I 様の自宅はとても大きく、部屋の移動だけでも道に迷ってしまうほど、
床の作りもしっかりしていて磨かれたようにキレイです。
ちなみにたーく様のご自宅もキレイでした。
メインのオーディオルームに入ると、巨大なDD66000が鎮座しています。
お部屋は15畳ほどということですが、天井高がナント驚きの3.5mもあって、
とても開放感があり数字以上の空間の広さを感じます。オーディオショウとは違う
一般家庭に鎮座するDD66000は異様なほど大きく存在感があります。Paragonや
B&W N801の実物を目の当たりにすると、巨大さに驚きますが、
それらに通じるものがあるかもしれません。
もうこの時点で非日常感が溢れてきており、大胆かつ小心な筆者は動揺が隠せません。
本棚のものを取るときはどうされますか?と尋ねると、ハシゴを持ってきて取るんだよ(笑)と、
DD66000 TAD D-600 C-600 DST-01 FM711二台をTRINNOVでマルチ駆動&音響補正、
黒の精悍なVivaldi DAC 圧倒的な存在感を知らしめる強烈な音、色気も十二分にある。
JBL4344、S9800と使い続けて、現在のDD66000は今年で十年目を迎えるそうです。
DD66000のネットワークを外すノウハウとマルチ駆動のやり方は某メーカーから
教示を受け、後にNazo_otoko先生にも伝えられたそうです。
初っ端からうちのシステムは 「コテンパンにやられた」 のは言うまでもありませんが、
それにしても凄い音でした。聴いたこともないような音でした。もう圧倒され続けました。
なんというか、音が出た瞬間から別格で、DD66000とS9500では格が違うというのを痛感させられます。
I 様はDACプリ間をもっとも重要視され、伝送ケーブルはJorma PRIME を
投入されています。プリとパワー間はNordost Valhalla、スピーカーケーブルは
ESOTERIC 7N-10000ⅡMAXCEL (100万円)を4本(!)電源ケーブルは
7N-PC9300MEXCELという32万以前のフラッグシップケーブルで全て固められ14本!
TAD-C600 視界に入っていても、深く追求する事がなかったけど、意外と良いですね。
リンク先のコメントも頷けます。TADはプリとCDから設計者がかわり、沼崎さんという
50歳前のお若い方になりました。前任者設計のパワーアンプの出来が良くないそうです。
アンプへの要求の高いTADのスピーカーを鳴らしきれず、イベントで冴えない音で鳴ります。
つまりパワーアンプがシステム全体のボトルネックになっているとの事だそうです。
TAD-C600は特性重視型の透徹としたクリアーでストレートな音、高域の伸びや切れが
印象に残る。FM711との組み合わせでは大変良い音を聴かせていた。
最初はTADのプリと聴いてあまりピンと来なかったのですが、TADのC-600というプリは
本当に凄かったですね。コニサー3.0と比較できる音なんですから。九州の人はFMのような
濃い味付けが好きだそうで博多、久留米豚骨ラーメンなどの食に通じるものがあります。
関西の人も濃いほうが好きで、関東の人はあっさりした薄口の醤油ベースが好みと
考えると音の好みの違いにも納得できるのかも知れません。
TADのプリとFMのパワーの組み合せは、九州の人に局地的に流行っていて、
四人の人がTADプリとFMを組み合わせているそうです。確かにその音を聴いて納得できました。
これまで日本製は真空管とラックスマンとケーブルしか眼中にない感じでしたが、
TADの製品もそのなかに加わった感じです。
以前はDan Dagostino Momentum Stereo Power Amplifireを2台使われていたので
エソテリックの電源ケーブルが2本余っているそうです。
Dan Dagostino Momentum StereoからFM711への買い替えは、「もう圧倒的に良くなった」と
仰っておられました。そうでしょう、そうでしょう。ぼくもそう思います。
以前の I 様邸です。20年間熱心なAccuphaseのファンだったそうです。
デジタル機器は一瞬で切り替えられる、聴き比べさせて頂く、TAD D-600が意外に良く、
Vivaldi DACと遜色が無い実力があるのに驚く。カチッとしたダイレクト感のある音では
Vivaldi DACを凌駕。色気や音楽性のあるVivaldi。LINN CD12も健闘したが時代を感じる音だ。
「ええっ!?」 「ウソやろ!」 他の方もTAD D-600に軍配を上げた方がいらっしゃるとか、
個人的にはVivaldi DACの表現力を取りたいけれど、特性面ではTADの方が優れている
印象が勝った。LINN CD12は音があきらかに古く感じる。「LINNは丸い音でしょ?」と
I 様は仰るが、確かに角が取れたようなまろやかさを感じる。
I l様邸のFM711はserial 612048、612049の連番。2007~2008年製造の最後期型と
推察されます。購入価格は一台***万、FMの中古は店に出ても商品化される前に
店の常連さんに売られていきますね。MAX audioの小倉店で聴いたFM711は
serial 4030562 いままでFMのパワーアンプは何台作られたのだろう?
クリーン電源は全部 IsoTekで、パワーアンプ用は写真右下のEVO3 TITAN
40万円くらいで購入。「200Vで使えますか?」と尋ねると、そのままで使えるそうです。
ちなみにコニサー3.0は委託商品らしいのですが、FM711は買取後店の備品となり、
売り物ではないそうなので売ってくれと問い合わせしないでくださいね。
TRINNOV ST-2 Hi-Fi(108万円)での音響補正図、スピーカーの仮想位置が後方に
並んでいるでしょう?ラックの影響を補正して中央位置になるように補正を掛けているのです。
時間軸を調整、低域が遅れる、高域が先に来るのを高域を遅らせるようにイコライジング。
DD66000のダブルウーファーはマルチなのでスタガーではなくパラレル駆動されています。
TRINNOV ST-2 Hi-Fi 自体の中古は70万円ほど、最近アキュDGやKRELL KBXが売りに出される
理由のひとつはトリノフへの買い替え需要にあります。TRINNOV ST-2 Hi-Fiは音響補正と
2CHのチャンネルディバイダーの機能があります。マイクなどの備品も購入しないと使えません
P0sも所有されています。すぐに音が出る状態。独特の機械音が印象的、
P0sは今聞いても良い音でした。
「エソテリックは上と下が出ていない。中域が分厚い」
「TADは上と下が出ている」とは I 様のコメント。
Vivaldi DACは現在450万になっていると思いますが、360万の時代に280万で購入されたそうです
TAD D-600より好みの音ですが、価格差を考えるとぼくはD-600を購入すると思います。
アナログメインでいらっしゃるとの事で、テクダスのエアフォース TWO(360万)をご愛用です。
フォノイコはフェーズメーション EA-1000です。
スピーカーの足は finite elemente 4本で12~13万くらい 機器の足も全てfinite elementeで
こちらは4本で10万くらい。交換した効果は 「音がカチッとします」 との事でした。
それにしても素晴らしい体験でした。I 様邸宅を後にしてからは当日中に着くように
長崎に向かいましたが佐賀駅まで送っていただきました。途中で本場の
久留米豚骨ラーメンをご馳走になり、本場の味に感激しました。
そのときの写真はないのですが、この日の体験に味をしめて、
翌日博多で一双というお勧めのラーメン屋さんで食事したときの写真を載せておきます。
I 様、貴重な経験をさせていただきまして、まことにありがとうございました。