Threshold SA/4e ステレオパワーアンプ 1989年 アメリカ \1,650,000
SA/4eはアメリカンハイエンド機を象徴する力強く立体的で彫琢が深く切れ込みのよい音
純粋で透明なサウンドに純A級のウォームさがある。色付けを感じさせないのに
色気や官能がある音だ。ON Semiconductor社製(当時 Motorola社)
パワートランジスターをCHあたり26個使った44kgの物量投入型は
(後年のALEPH 0 2はCH辺り8個なので三倍以上) 強靭なドライバビリティーを誇示する。
設計者はアメリカの世界的にも高名な天才エンジニア、 ネルソン・パス。
1989年~1995年まで約6年間に渡って製造されたロングセラーは銘機の証拠である。
NFBから解放された最終段を無帰還にする米国特許STASIS回路を搭載。
硬質な中高域に繊細で優美なトーンを醸し出す。いかにも米国製ハイエンドアンプという
強烈な力感と分厚い低域、広大なスケール感をそなえた超弩級パワーアンプという
印象がより強いと思います。低域の駆動力不足に悩まれている方にお値打ちな
アンプとして推薦したい。低域はしなやかで引き締まっている。
音圧をどこまでも高めていくと、眩い生命感に溢れる音像が屹立する様子には
深く感激しました。交響曲における総奏のリアルさはまさに迫真と呼べるものがある。
SA/4eの音の粒子はこの上なく細かく、音像は精密でよく締っており、
初期のKRELL KSA-100や94年に発売されたKSA-200sのようなA級アンプによくある
緩んだ感じは見受けられない。少数の出力段で構成された多パラ構造の
大規模アンプですが、大量のトランジスターを搭載しながら音がニジんだような印象が
相当に低く抑えられているので、音質の純度は大規模のアンプとしてはかなり高く保たれて
いてまず不満がないと思う。近代的なハイエンドサウンドです。
ウォームアップには最低1時間 完全になるまでには2~3時間かかる。
ピュアクラスAなので発熱が大きいなどの問題点がありますが、
経年劣化しやすいリレーを搭載しないので(あまり大きくないですが電源投入時にボッという
ショックノイズ)PASS ALEPHシリーズと同様にメンテナンスフリー(何十年も定期点検が不要)で
故障が少なくずっと使い続けられるところにメリットがあります。懸案のパワートランジスターは
壊れても現在でも代替品が手に入る。このアンプは故障が少なくメンテも不要で故障時の
修理代も安く、再起不能にもなりにくい。内部構造を見ても現代のパワーアンプと比べると
シンプルで整備しやすいです。PASS X350のコンストラクションによく似ていて同じ設計者だと
感じさせるものがありますね。
シリアル№0412
100W+100W(8Ω) :W483×H243×D333(cm) 43.9Kg
スペック上は100W+100W(8Ω)ですが、もちろんこれだけの規模のアンプなのでAB級 400Wは出ます。
○Threshold SA/4eは透明でウォームでとても力強く近代的なサウンド
○Threshold SA/4eは後発のALEPHとは比較にならない高い低域駆動力がある
○Threshold SA/4eはメンテフリーで故障が少なく再起不能リスクが極小で修理費用も安い
○Threshold SA/4eは 鳴らしにくい難物JBL K2 S9500を完全に鳴らし切ってみせた
筆者は三オーナー目で、ファーストオーナーはEXCLUSIVE model2402
セカンドオーナーはJBL4344 そして筆者はJBL S9500で本機を鳴らしています。
大型高効率スピーカーにマッチするパワーアンプです。
アメリカ本国では3Ωと手ごわいApogee DIVAを鳴らし切れるアンプとして名を馳せました。
ちなみにですが SA/4eのオリジナルのパワートランジスターは
Motorola MJ115011 MJ115012 この二つが大量に使われています
MJ 15022 MJ15023 このふたつは少数だけ実装されています
セカイモン(eBay)などで簡単にオリジナルが手に入りますが
Motorola社はON Semiconductor社に社名変更して存続しており、
現在でも代替品が手に入りますし熊本のエイブルさんなどの修理工房でも
多分?ストックしているそうなので焦って買う人は少ないとは思います
オリジナルにこだわる方は念のため蒐集して保管しておいても良いかも知れません。