PASS Laboratories ALEPH2 | 禁断のKRELL

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PASS Laboratories ALEPH2 モノラルパワーアンプ アメリカ 1996年 ¥1,280,000

 

 

 

 

パワー段にMOS-FETをもちいた独創的なシングルエンドA級(高効率A級)アンプの
アレフシリーズ機中、最高傑作機のひとつとして名高い。音像表現のリアリティーの
高さはよりいっそう洗練され、ハイレベルな音像表現の緻密さに感服する。
非常に暖かく濃厚で肉感的な質感は女性ボーカル再生に最適であり、
ソリッドステート機のなかでは、現在でも最高の領域にあると思う。
比較対象はLUXMANのフラッグシップだろうか。鮮麗な独奏バイオリンの
表現は、前作ALEPH 0よりやや細身でストレートな表現に傾いたように
感じられたが。微粒子感に溢れる繊細さで切れのよさを印象付けながら、
直熱三極管にちかい音色であり、真空管のウィークポイントである
出力トランスを介した帯域の狭さや低域の駆動力と制動力の脆弱さを克服し、
現代的な透明感やクオリティの高さを強く印象付けてくる。
やわらかく滑らかでフォーマルに整えられた大人のサウンド傾向だ。
派手な演出感や強調された鋭さはなく、ハイエンド(高域)は真空管機のように
緩やかにロールオフ(減退)し、穏やかな表情だ。刺激的要素は皆無で耳辺りが良い。
ALEPHにはKRELLのような筋肉質なエネルギー感やダイナミクスを期待してはいけない。
引き替えに95年までのKRELLよりもサウンドクオリティーはALEPHの方がずっと優秀。
ALEPH 2は音場感のよさに優れていて広大なサウンドステージを展開する。
したがってオーケストラは得意。中高域における写実的な描写力は高いが、
ボトムエンドが甘くなるのは従来機と変わらない。ドライバビリティは真空管より
ずっと高いのだが、ダンピングファクター1000をこえるような業務用機には
遠く及ばない。ALEPH2でJBL S5500は鳴ったが、JBL S9500はまるで鳴らなかった。
もちろんコンパクトな真空管アンプのような軽くてヤワな低域ではないのだが、
ALEPH 2はインピーダンス4Ω以上の大型高効率スピーカーにマッチする
パワーアンプである。アンプ選びは使っているスピーカーに合せて
選択するのが重要なポイントだ。ただ後にFM411を導入してあまりの性能の差に
愕然となる出来事があった。






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