JBL Project K2 S9500 導入編 | 禁断のKRELL

禁断のKRELL

ハイエンドオーディオやヴィンテージオーディオを語っていきます。

 

 

 


J.Bランシング生誕114年目の今年、熱心なジムラン党員になって
9年目ですが、ついに人生で終いとなるスピーカーの導入を果たしました。

不朽、不滅の金字塔、銘機 JBL Project K2 S9500 ついに降臨!感無量ですね。

 


絶対に譲れなかった475Nd 4インチのコンプレッションドライバーと、
14インチ(35.5cm)のダブルウーファー、アルミの振動板はチタンに変わり、
アルニコのマグネットはネオジウムマグネットへと変更されたが、
その圧倒的なジムランサウンドは不変である!

 


JBLは一度はまると抜け出せなくなる魅力がありますね!

 

 

ブルーバッフルのJBL4355スタジオモニターの時代と比べると、
「エゲつない音」、JBLの圧倒的な躍動感や豪快な鳴りっぷりのよさはそのままに、
繊細さ(音の細やかさ)や反応の良いハイスピードさ、シャープな切れ味の良さ、
ハイレゾやSACD音源にも対応する現代的なサウンドに大きく生まれ変わった。
いい意味でウッドホーンの暖かみのある丸い音とは違う。
JBLは冷たい寒色でソリッドな音、暖かみのある音ではないので、
JBLでそういう音を出したいときはアンプのキャラクターに頼ると良い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ごらんください。

 

 

鏡のような綺麗なピアノブラック塗装のボディ、まるで新品同様である。

 

 

S9500は1989年発売、

 


90年代バブルの時代に量産され、現在のDD66000より部材にコストの掛かっている

S9500を薦める。ハーマンインターナショナルが 巨額の買収額80億ドル(約8635億ドル)

SAMSONへの買収が決まって、ミントコンディションの個体が市場に姿を現すのを

虎視眈々と狙いを定めていた。こんなに状態がいい個体はまずお目に掛かれないだろう。

 

 

実際のところ、JBLのような超メジャーなブランドは高い技術力を持ったリペアが出来る

修理工房は沢山あるので慌てて"狼狽売り"する必要はまったくないのだが・・・・・・


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

JBL EVEREST DD55000 (ペア270万) は2インチ(5cm)のドライバー(1インチスロート級)、

JBL Project K2 S9500 (ペア440万) は4インチ(10cm)ドライバー(2インチスロート級)、

 

 

ええもう、圧倒的にエネルギー感が違います!

 

 

2インチドライバーとは格が違いますね!

 

 

JBLで最高峰を目指すなら4インチドライバーは絶対!

 

 

※スロート径とは中高音が出てくる開口部の大きさのこと

 

 

1インチと2インチのスロートでは二倍というスペック以上に開きがあると感じる。

視覚的な印象としては三倍くらいの差に感じる。音もそれぐらい違う。

ただコンプレッションドライバーの口径が大きくなると高域特性はやや落ちる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1400Ndウーファーのウレタンエッジは経年でボロボロだったので
http://www.funteq.com/ ファンテックさんで購入できるエッジに張り替えしてもらいました。
裏表両面ラバーコーティングされたウレタンエッジで音質を変えずに
湿度対策なしだと約十年でボロボロになるウレタンエッジの飛躍的な寿命向上を

実現させています。費用は4本で税と返送料込みで6万円と少しです。

 

エッジだけ買って自分で張り替えると1400Ndのエッジ代4本分で13,000円くらいだったと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

R上 #10804

R下 #10761

L上 #10944

L下 #10942 搭載された1400Ndウーファーのシリアルナンバーでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エッジにワコーズのSLシリコーンルブリカント(無溶剤・保護艶出し剤)コーティングを施して
水気(湿気)を弾くようにしておけば筆者が冥途にいくまでの数十年間(?)は持つでしょう。

かならず先の細い毛筆の絵筆で塗ってください。くれぐれも付け過ぎには気を付けて下さい

JBLは非常に頑丈でとにかく壊れにくいことが特徴であり美点のブランドです。

S9500は重量149kgと非常に巨大だが、スペースファクターに優れており
6畳間でも設置自体は出来る
。土台のレジンコンクリートベース部分を合せると
片側で4分割できるモジュール構成となっており、各モジュールは全てスパイクによる

四点支持と下段のモジュールには全てスパイク受けを備え付けで装備し、
強大なエネルギーを発するS9500の不要共振を効果的に排除する凝った構成となっている。

一番重いコンクリートベース部分で46kg程度で次に重いのは下部のウーファーモジュール。
意外にアクリルのホーン部分が重いのはドライバーも搭載しているからという所もある。
上部ウーファーモジュールは内容積は変わらずだが中央制御部分などを
持たないので下部モジュールと比較すると随分軽い。

S9500はセッティングが大変だが二階や三階まで持っていく場合でも

ひとりですべて設置できるのはありがたい。

S5500との比較ではスケール感や低域でもかなり差が有りますが、
それよりもコストの掛かったアクリル削り出しのホーンの性能差が甚だしく大きい。
このホーン部分は単体に分割できるが、繰り返しになるが

アクリルホーンのみを手で持つと予想外にとても重たくしっかりした作りをしている。

この贅沢なアクリルホーンの音を聴くと鳴きがきわめて少なく非常にクリアーで高品位である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

店頭で中古品を聴いたことは何回もあるが、

 

 

筆者がS9500を最後に試聴室で聞いたのは大阪のAUTHENTICの試聴室だから

もう二十年近くまえになる。

 

(NECの出資した子会社でインテグレーテッドアンプの名作NEC A10シリーズを手掛けていた。

実はいまでも会社が存続している事が驚きだ)

 

 

M9500やS5500は共にS9500の廉価版でM9500はバスレフポートを前面に変更し、
鳴らしやすくなった後発のモデル。共にスタガー構造やバッテリーバイアス機構の
新規採用などS9500より進化した部分があるが、ホーンスピーカーの
音質はドライバーやウーファーよりもホーンそのもののクオリティで
ほとんど決まってしまう。
ラミネートMDF材(木製)ホーンにコストダウンされたM9500や

硬質樹脂製を採用したホーンのS5500と比べると中高域のクオリティが圧倒的に違う。
こんなに鳴きが少なくニジみのないクリアーな音の差となって出てくるのか。
アクリル削り出しのホーンは不要な雑共振が圧倒的に少なく澄み切った音がする(!)
M9500は360万、S9500は440万と価格差は大きいが、フィニッシュ(仕上げ)の
美しさの違いだけではないのだ。とにかくS9500はアクリルのホーンがキモだ。

鳴らせる自信があるならM9500より断然、S9500だ。この音の差はきわめて大きいと

云えるだろう。

 

 

 

 

音の第一印象は、地鳴りのようなすさまじい低音、ジェット戦闘機のように「ギーン」と

突き抜けていく強烈なエナジー感、中高域は圧倒的にS/N比が高く、静かでひずみがなく

クリアー、しかし実勢価格1/3以下のS5500のコストパフォーマンスと鳴らしやすさが光る。

ただ、値段だけの差はありますね。S2600 S3100 S3100mk2 S5500からの買い替えで

投資額相応のグレイドアップ感が得られるのか?迷ってる人は逝けば分かると思います。

 

というか、お金があるなら上記オーナーは是非S9500買ってください。

 

 

絶対後悔させませんから。

 

 

9年間使って熟知しているS5500と比べると、S9500はさらにソリッド(硬く)でシャープ(鋭い)な

切れのよさが際立っている印象だ。兄弟モデルなので、音は同じ延長線上にありながらも

S5500よりもさらに厳格なサウンド。かなり厳しい音でシビアーで辛口ではあるが、

サウンドの圧倒的な精密感や贅沢な作りの良いエンクロージュア、鳴かないホーンが

生み出す静けさ(S/N比の高さ)はとにかく凄いの一言だ。ホーッとため息が出る。

 

 

JBL 9500は凄いよ!最初からこんなに鳴るのはFMアコースティックスのコンビのおかげだ。

それとS5500と格闘した9年間の努力の蓄積があったからだと思う。

 

 

 

したがって買い替えた事に対して後悔は微塵もありませんでした。

 

 

 


S9500の使いこなしのポイント

 


しっかりとした床の確保、畳は剥がして代りにバーチ材の厚い板を重ねて上に

カーペットを引く、土台がなにより大事。スピーカーのグリップをしっかりとして

やることがまず第一。

 

 

 

 

 

 

 


重量級の大型オーディオボードの使用 ちなみに使用しているTAOC SCB-60

横幅は60cmでコンクリート製ベースの横幅とまさにぴったりのジャストサイズであった。


(欲を言えばもう少し余裕が欲しい)

 

 

 

バスレフポートが背面なので、スピーカーの背面の空間の確保。できれば1mは欲しい。
内振りなら最低でもニア側(壁に近い)で45cmは欲しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ジャンパーケーブルを奢る 上部ウーファーの連結金具は地震大国の日本なので
転倒防止用としてかなり役に立つので交換せずに運用することにしたが、

シングルアンプ駆動ではジャンパー線を強制されるS9500なのでドライバー側に

NVS Copper2のジャンパーケーブルを使った。ジャンパーを使うとダイレクト感が

減ってキツさがなくなることはバイワイヤリングでS5500を使った経験から

分かっていたが、やはり高域のキツさは一切無くなる。

 

 

 


日本の狭い部屋の影響を少なくするために60度による内振りセッティングを採用

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


リスニングルームのエアボリュウムが不足する場合、センターの背面壁際には

吸音&拡散タイプの音響パネル設置が向いている。第一歩としてはセンターの背面に

音響パネル一枚からルームチューニングの実施。S9500の真後ろに吸音材を配置する。

拙宅ではQRD Abffusorをセンターの背面に設置している。このアブフューザーは

普通はサイド用、もしくはスピーカーの真後ろに置くものだが、センターにも使える。

センター使いは音の明瞭度感や静けさ(S/N比)を重視する場合に向いていて

ロックやフュージョンを鳴らす時に向いている。評論家の傅信幸先生は以前は

長い間180cmのAbffusor アブフューザー(灰色の布張り吸音・拡散パネル)を使っていて、

現在は180cmのQRD 最上位モデル Diffractal ディフラクタル(木製・拡散のみ)に変更されている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


S9500は3Ωまでインピーダンスが落ち込む特性上、97dBの高能率でも

アナログアンプなら大きくて重たいモデルが必要不可欠

(FMやクレルなど) スイッチング電源を使用したモデルは駆動力に優れているので

安価に本機を鳴らすのに有利である。真空管パワーアンプではVTLなど

特殊な例外を除いて不向きといえる。アンプには高い電流供給能力を備えた

駆動力の高いソリッドステートアンプを使用する必要がある。

ただし、マルチ駆動なら6Ω程度と格段に鳴らしやすくなる。

 


レジンコンクリートベース内部の吸音対策 (ベース内に手製の布の外装のグラスウールを

充填)

 


バスレフポートにスポンジを詰める(布きれは向いていない)これで出しゃばり過ぎる

低音のコントロールができる。一個380円とややお高いが円形の使いやすいものが
コーナンにおいてあった。廉価版の220円のものもあったが数が足りなかった。

 

 

スーパートゥイーターの使用 インライン上に並べるのがセオリーだが
評論家先生は外側(壁側)にずらしてあえてインラインから外して使用していた。
高価だがGEM(MEWON)やKIT HITがお薦めだと思う。

 

 

マルチアンプの試み 475Ndドライバーは単体では16Ωと鳴らしやすい
1400Ndも8Ωだが三個のユニットを全部シングルアンプで駆動すると
3Ωとインピーダンスが非常に落ち込むので高い電流供給能力を持ったアンプが必要。
(アナログアンプや真空管アンプだと多くの場合大きくて重いものになる)

 

マルチならその過大な負荷が低減できる。