ML-2LとAMPZILLA | 禁断のKRELL

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ハイエンドオーディオやヴィンテージオーディオを語っていきます。





後年には人間的に円熟し、クラシックへの傾倒を深めていったマークの理想の音を
見事に体現させたCELLOも良いものだが、CELLOと違う方向性としては、
よりアグレッシヴで、躍動的で、ガッツがあり、パワフルで、パンチの効いた血沸き肉躍る、
 「エグい音」 を目指すならオールドレビンソン。その中でも世の中のより多くのリスナーに向けた
コンシューマー向けモデル。CELLOはベテラン向けで、ジャズにもよいが
主にクラシック向けのブランド、(名前そのまんまだが) オールドレビンソンは
ジャズ、ロック向けで青臭さの残る青年や、少年の心をいまでも持っている
中高年のオーディオファイルに向いているというべきか。


オールドレビンソンやチェロはいずれもロングランが多い。なかでもML-2Lは超銘機で
販売期間が1977年-1986年と超ロングラン機であり、クオリティー重視なら初期の箱入りの
EIコアトランス搭載のモデル。迫力を重視ならば後期型ほど良い
。ML-2Lは途中から
出力が25W→50Wに増えた以外にも、後期型になってからは音質傾向が
変化してより一層、一般ウケするパワフルでガッツのある音になった。
ヒートシンクが焼けていないもの (後期型はハーマンによりヒートシンクの仕上げが
改善されるため) それとフィッシャーのスピーカー端子が後期に搭載されていた為、
その二点が見分ける方法である。(同時にハーマンのシールも貼ってある)


ML-2Lは発熱の盛大さが実は最大のネック、夏場ではクーラー全開でも効き目がないほど
部屋が暑くなりオーナーがギブ・アップしてしまう。やはりデバイス、パーツを限界まで
酷使させることで損耗が早く、部品が短寿命になる。発熱も寿命を縮める主原因であるし、
それ故に故障の多さで知られているが、
調整の巧みな熟練エンジニアの腕次第では、
6年間無故障なML-2Lもあったそうだ。
したがって、20畳以上のオーディオ部屋をお持ちで裕福な方が望ましい。


GAS AMPZILLAはスピーカーを壊す。THE POWERもTHE GOLDもスピーカーを壊す。
(ただし、きちんとメンテして使い方を間違えないかぎりリスクは極小)
ML-2Lはそんなことはない。ボンジョルノの作った"良い音のアンプ"は危険なものが
目に付くようだ。といっても大半はアンプが壊れるだけで済むだろうが、
ネットワーク経由でもスピーカーを壊す可能性があるのは事実であり、
人様に積極的にはお薦めは出来ない。


ML-2Lはブレーカースイッチ(電源スイッチ)が言葉通りの安全装置となっている。
ちょっとでも異常を検知すると途端にスイッチが切れる。なんらかの問題、
要するに故障部分の問題が解決されないかぎりいくら押しても電源が付かない。


ボンジョルノアンプで発生が危惧されるDCオフセット(DC漏れ)が起きると、
どんなに頑丈なスピーカーでもひとたまりもなくボイスコイルが焼けてスクラップに
なってしまう。昔のスピーカーにはヒューズが付いているものもあるが、
DC漏れのダメージがスピーカーに到達するのは迅速であり、スピーカーの保護は
間に合わない。


ML-2Lについてだが、シリアル№2452 №2453はヒートシンクは焼けていないものの、
SP端子は通常品だった。(2012年12月オークファン)



ML-1L(前期&後期) JC-2(PLS-153または新型) ML-2L後期型 (シリアル№3031
№3032ペアはフィッシャーSP端子の後期型だった) 年をとって音楽嗜好が
変わるまで文字通り最高のアンプとなってくれる。長い人生を経て洗練された
オトナの方には野暮ったく思えたり、青臭い音に聴こえるかも知れない。

そういう方には、CELLO GOLDMUND JEFF ROWLANDなどがお薦め。
ただし、本当はプリはMLASではなく№32Lや№52を勧める。古いプリアンプは
フォノプリの用途を除いて、新しいものに勝てない。実際に色々やってみた感想である。

パワーもMLASの製品を排除してしまうと、なんのためのオールドレビンソンか分からない。


ヒントになったのは№52とML-2Lの新旧銘機を現用している評論家の柳沢功力先生だ。


実際にやってみると、なぜLNP-2Lを交換し、ML-2Lを残したのか、なるほどと 「納得した」



筆者はこれを"ヤナギサワ方式"と命名する。



憧れのML-2Lは、一度は自分で使いたかったが、保守など様々な問題を考慮して筆者は断念することにする。


みなさんの満足した笑顔をお祈りするばかりだ。