尊富士 110年ぶりの新入幕優勝 | 愚漢さんの独り言

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思いつくままに

 2024年大相撲三月場所は、尊富士の110年ぶりの新入幕優勝で幕を閉じた。

 大相撲ファンの私としても、随分と熱い三月場所であった。何せ110年ぶりっていうのは凄いよね。目の前で劇的なドラマを見せてくれるんだから自然熱くなってしまう。

 14日目の朝乃山との対戦で足を痛めたが、とにかく足を引きずってでも出さえすればなんとかなると思っていたが、照ノ富士のアドバイスもあって千秋楽は出場し、そして見事に優勝したわけだ。心からおめでとうと言いたい。

 実のところ私も小学生の頃はまじめに相撲取りになろうと思っていた。自分で言うのもなんだが、相撲が強かった。負ける気がしなかった。しかし中学生になって柔道部から白帯を借りてこれをまわし代わりに腰に巻いて相撲を取ると、相撲の感覚が全然違う。まわしがあるとないとでは大違いだし、それに背も余り伸びなかったので相撲取りは諦めた。

 でも大相撲は大好きなのでテレビは見続けた。丁度私の頃は、大相撲は柏鵬時代。その頃流行語で「巨人・大鵬・卵焼き」というのがあったが、小さいときからへそ曲がりの私は、野球は巨人でなく阪神を応援し、相撲は大鵬でなく柏戸を応援した。但し卵焼きばかりは大好きで今でも好きである(笑)

 大相撲も一時大型力士ばやりで面白くなくなった。相撲は小よく大を制すであり、技が見せ所なのに、体のでかい大味な相撲は観ていても少しも面白くなかったので、しばらく観ない時期があった。その後はまた観始めた。そして今は楽しく観ている。

 私は相撲に関しては見巧者だと思っているので、向こう正面にでもゲストとして呼んでくれたら、いろんな話ができるのにな、なんて儚い夢を描きながら観戦している(笑)

 さてさてあまりにも余談が長すぎたようだ。実はこの『尊富士 110年ぶりの新入幕優勝』で一番書きたかったことは、実は千秋楽の尊富士の対戦相手豪ノ山のことなのだ。豪ノ山は一体全体この日どういう心境でいたのかと勝手に憶測してみたのだ。豪ノ山が勝てば自身幕内最高の11勝目をあげられる。勿論勝ちたいだろうが勝てば尊富士の110年ぶりの記録を潰すことになるわけだ。しかも多くの大相撲ファンは尊富士が足を痛めたにもかかわらず出場して優勝するというその劇的なシーンを期待して待っているのだ。豪ノ山としてはまさにアウェイの心境だろう。かといって花を持たせるためにわざと負けるわけにもいかない。このへんのところ本当に辛い心境であったのでは、とHSP的私の神経は、そう思った次第である。結果はご覧の通り。豪ノ山は見事、敵役(かたきやく)としてその役目を果たしたことになる。優勝の瞬間、場内は割れんばかりの尊富士への拍手が起こったが、私は心の中で豪ノ山に精一杯拍手をした。

 豪ノ山関、本当にお疲れ様でした、と。