朝の気温が平年の最高気温超えという厳しすぎる残暑続きの関東平野ですが、暑さ寒さも彼岸まで。
ようやく真夏の陽気から解放されそうな関東平野です。
しかし週が明けると日中はまた真夏日の予報に(本当か?)。
それでも朝晩が涼しければまだありがたいですね。
さて、またオイルパンのフライホイール側からのオイル漏れの量が許せないほど増えてしまったMEX号。
オイルパンガスケットからのオイル漏れの原因は、過去の経験から…
1)オイルパンボルトの締め付け不良による漏れ。
→ガスケットの伸縮や振動による緩みや、不均一な締付けトルク、もしくは締め付け過ぎにより密着が悪くなっている。
2)オイルパンガスケットの劣化による漏れ。
→経年劣化によるひび割れや千切れなどでオイルの道ができてしまっている。
3)液体ガスケット(以下液ガス)が悪さをして漏れる。
→黒い樹脂っぽいオイルパンガスケットならまだしも、伸縮幅が大きいコルクガスケットに液ガスを塗った場合、一度オイルの道ができてしまうと、ボルト増し締め時に液ガスとオイルパン(もしくはクランクケース)がヌルヌルと滑ってしまい、コルクがどんどんはみ出て来るだけで漏れは止まらなくなる。
ということがわかっています。
なので今一般的に手に入るコルクガスケットの場合は、液ガスを塗らずに使っていました。
実際、それで旧オイルパンでは漏れを止めることができていたのです。
では何故今はオイル漏れを止めることができないのか…。
そこで今までしてこなかった検証を素人なりにもしつつ、オイルパンガスケットを今一度交換してみようという今回は
今年2度目の
オイルパンガスケット交換と
ガスケットの考察
でございます。
*以前のアバルトタイプオイルパンには油温センサーのネジが切られておらず、タップ切るのが面倒臭かったため(失敗が怖いためとも言う)、新しく今時のアバルトタイプオイルパンに交換してあります。
その時の新旧オイルパン比較はこちら。
↓
今年の1月にオイルパンガスケットを交換するも、またしても漏れの量が私の許容範囲を超えてしまったのです。
そんな今年1月のオイルパンガスケット交換作業はこちら。
↓
さてさて、先に書いた以外の原因を、これまた素人なりにも考えてみると…
A)今のオイルパンに歪みなどの問題がある。
B)最近買えるコルクガスケットに原因がある。
というのが先ずはあるでしょうか。
Aはオイルパンを外してフランジ面の平滑さを確認すればわかりそう。
Bの方はというと、コルクガスケットはコルクが明るい色で硬めの物やコルクチップが細かい物、混ぜてあるゴムのようなやつがグレーの物や黒い物など、購入年代によって材質がちょくちょく変わり、ここ2年はコルクの色が焼いたように濃くてとても柔らかく、なんだか妙にオイリーなやつ。
オイルパンを変えた時からちょうどこのコルクガスケットになったこともあり、やはり今回の作業ではこの2つをよく観察してみよう。
9/17の朝に作業開始するも
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オイル抜いた時点でボタボタと
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汗まみれに。
異様に蒸し暑いので15分動いては
5分ほど休憩しているため、
作業がちっとも捗らない^^;;。
外したオイルパンの
ガスケットはこの有様。
水色矢印の所が千切れている。
これ、
MEX号では初めてだったけど、
主治医のお手伝いで見たことがある。
原因は増し締めし過ぎでしょうね。
それとドライバーの先端の部分に違和感。
クランクケース側のオイルリターンの穴と
オイルパンの受けの位置が
ズレているような気もする。
更にはフライホイールに
干渉していることに気づいて
前回少しカットした部分もまだ
当たっていたようだ。
これも締め付け過ぎで
コルクが延び過ぎたのではないかと。
外したオイルパンを脱脂後、
今回のために購入した30cm角、
5mm厚のガラス板を置いて、
フランジが平滑かどうか、
シックネスゲージを挿して確認中の図。
*ガラス板が完全に平滑とは限らないけど
目安にはなるでしょう。
どうやら四隅が低くてフライホイール側は
0.2mm程度波打っていることが判明。
しかしこの程度であれば、
厚さ3.5mmもあるコルクガスケットが
吸収してくれそうな気もするが
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まぁモノは試しということで、
極力平滑にしてみようと
オイルストーンで面研磨。
フランジに光明丹を塗って
ガラス板をウリウリと動かして
低い箇所を確認したら
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またオイルストーンで研磨を
繰り返す。
そんなことを2時間ほどやっていたけど
キリがないので
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いつも漏れるフライホイール側が
ほぼフラットになった時点で妥協し
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ちょっと思う所があって光明丹で型取り。
そして先にも書いたように
気になるこの穴の位置は、
コルクガスケットを充てがうと
アバルトタイプオイルパンに対して
毎回このようにズレている。
クランクケース側でいう
このオレンジ矢印の穴ね。
*水色矢印の所は発見した傷。
なんか嫌な所にあるなぁ。
結局原因はこれだったりして…。
コルクガスケットの穴の位置は
合っているので
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やはり
オイルパン側の穴の位置がズレているのね。
オイルの流れを良くするために
次回は少し斜めに削ってみようかしら。
クランクケース側は
ここに深い傷もあったけど、
ここからはオイル漏れしないので
とりあえず放置。
オイルパンを外したついでに
前々から確認したかった、
クランクとオイルレベルゲージの
MAXの関係。
どうやらこのゲージではMAXだと
クランクがオイルに浸かってしまうので、
オイルの量は
MINとMAXの中間くらいで良さそうだ。
そんなこんなをしていたら
オイルパンを復旧した頃には
すでに16時半になってしまった。
腕や眼鏡、トレーの裏など、
とにかくあらゆる所が
光明丹で汚染されていたので
一旦軽く掃除をしたら
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エンジンオイルを注入。
オイル漏れを止める方法が見つかるまでは
マイスターオイルではなく、
500に詳しい人にも評判の、
POLO Lubricantsの
TURBO XLD SAE:15W-50
粘度指数、TBN高めの鉱物油で。
ポンプは吐出量の多そうな、
徳信洋行の
DP-16-1手動・固定式ポンプ(大型品)
を密林で購入。
おお!
スゲー吐出量だww。
って、
出過ぎで量の調整難しいじゃねーかww。
でもホースをクルッとしておけるのは
垂れなくて便利^^。
そして後片付け終わったのは17時半…
疲れたし時間を食ったので
ベアリングのグリースアップなどは
翌日作業に。
ここからはガスケットについて調べてみて、わかったことを書いておきます。
□ガスケットの種類
一口にガスケットと言っても世の中色々なものがあり、最近の自動車やバイクのオイルパンでは液ガスのみのものもあるようですね。
ただ、500の場合は精度的にもシートガスケットがあった方が良いのかも。
そこでシートガスケットに関する文献などをWEBで漁って読んでみると、シートガスケットには…
1)処理紙ガスケット
材質:厚紙をゼラチン、グリセリンなどで補強したもの。
メリット:廉価・厚めだとシール面との密着が良好。
デメリット:吸液性が大きく浸透漏れの可能性あり。
使用箇所:シール条件が厳しくない箇所。
2)ビーターシート
材質:アラミドやグラスファイバーなどの人造繊維にゴムのエマルジョン液を吸着させたもの。
メリット:圧縮性に富んでいる・処理紙ガスケットよりも耐久性有り。
デメリット:吸液性が大きく浸透漏れの可能性あり。
使用箇所:締め付けトルクが弱く、エンジンではフランジ面の剛性が低い箇所や内圧が低い燃料系や冷却系、潤滑油系。
3)コンプレスドシート(ジョイントガスケット)
材質:ゴムと人造繊維に加硫材、充填材(クレイタルク等)を加えたもの。
メリット:高密度で吸液性が少ないため、浸透漏れがほぼない・耐圧、耐熱性能が高い。
デメリット:圧縮性に乏しいため、フランジ剛性が高く締め付けボルト本数が多い箇所向き。
使用箇所:高温高圧などの使用条件が厳しい箇所・空冷エンジンのヘッドカバーやオイルパンなど。
と、大きく三種類あってそれぞれに一長一短が。
どうやら圧縮率や復元率、耐熱性や密度による浸透性を考慮して選ぶ必要があるみたいです。
対して、よくある500用のコルクガスケットはデータが不明なので、日本のコルクガスケットメーカーの資料の他、見た目と経験となりますが…
材質:コルクとゴムのハイブリッドなのでしょうね。
メリット:圧縮性が高く、仕上げが粗でもシール面との密着が良好。
デメリット:締め付け後の緩みが大きい・締め付け過ぎると漏れる。
使用箇所:もちろん500のエンジンのタペットカバーやオイルパン。
締め付けトルク:500のマニュアルになくて不明だけど、様々な車種での事例を調べているとやはり4N・m〜7N・m程度っぽい?
*前回は6N・mスタートしたのに、増し締めしているうちに10N・mに。
うん、やはり締め過ぎだったのかもしれない。
□ガスケットのオイル漏れ。
漏れ方には、
a)フランジとガスケットの接面から漏れる接面漏れ。
b)ガスケット内部を通る浸透漏れ。
c)ガスケットが破壊されて漏れる破壊漏れ。
があるという。
考えてみれば今までコルクガスケットで経験した漏れ方はこの3つだった。
ということは全部経験したのねw。
□今後どうする?
今度漏れ始めた時には今までよりも知識を持って(まだまだ浅いけど)対応してみようと、ビーターシートとジョイントガスケットを取り寄せてみました。
*そのためにオイルパンの型を取っておいたというワケ。
上から
1)K.Pガスケット
ジョイントシートJS303NA 1.5mm
2)K.Pガスケット
ジョイントシートJS302NA 1.0mm
3)モノタロウ
ガスケットシート(ビーターシート)1.0mm
裏返すとK.Pガスケットの1.5mmだけ
TOMBO NAというプリントが。
実際に手に取ってみると
ジョイントシートは結構硬いので、
圧縮による密着性は少なそう。
一番圧縮性があるのは
先のシートガスケットの特徴のとおり、
モノタロウのビーターシート。
ただし、
いずれも当然コルクよりは硬いので
密着性は劣ることになるし、
オイルパンは完全に平滑ではない上に
クランクケース側に傷もある。
が、
ガスケットの変形は
コルクよりも少ないということもあり、
これらは
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液ガス併用で試してみようかと。
液ガスの塗り方は指で塗り伸ばさずに、
棒状に置いていくつもり。
みっちりくっ付いちゃうから
剥がすの大変そうだけど、
KTCのスクレーパーも買ったから
なんとかなるかな?
とまぁ、ちょっとは勉強しようと考えてみましたが、果たしてこの素人考察が良いのか悪いのか?
実験してからのお楽しみということで。
やってみれば何かわかることでしょう。
どうにも漏れが止まらなかったら旧オイルパンに油温センサーのタップ切って使おうかなぁ。
うん、オイルパンのせいにしたりコルクガスケットのせいにしてるけど、結局悪いのは自分な気がしてならないww
今年2度目の
オイルパンガスケット交換と
ガスケットの考察_END
次回は翌日に作業したベアリングの適当グリースアップなどです。