<秋季高校野球新潟県大会:帝京長岡4-0日本文理>◇準々決勝◇23日◇ハードオフ新潟

帝京長岡と日本文理の注目の一戦は、帝京長岡に軍配が上がった。

昨秋、今春と2度の決勝で合い交えた好カード。スタンドは多くの観客が詰めかけ、秋の準々決勝にもかかわらず、両校の応援席にはブラスバンドが駆けつけた。

夏の大会のような雰囲気で始まった試合は、5回まで0-0の投手戦。先手を取ったのは、帝京長岡だった。グラウンド整備後の6回表。2死三塁の好機で、4番井野元爽生(そう)内野手(2年)の適時左前打で先制。そこから打線がつながり、一挙4点を奪った。先発の武田晄樹投手(2年)も9回無失点の好投でリードを死守。自身初の公式戦初完投初完封で“ライバル”に勝った。

元日本ハム投手の芝草宇宙監督(55)は「日本文理さんに勝ちたい」と言い続けてきた。昨秋の決勝では15-24で大敗も、今春の決勝は4-2でやり返した。直近4大会で3度目の対戦。試合前には「ここで負けたら、今までやってきたことに意味ない。新潟県のレベルを上げるためにも勝たなくてはいけない」と選手たちにハッパをかけた。

それを体現するかのように、3回2死二塁の場面では、日本文理の3番斎藤に対し、申告故意四球を選択。「勝つための1番の手段」と勝利への執念を見せ、主導権は握らせなかった。

これで4季連続で4強入りを果たした。指揮官は勝利を喜びながらも「今日もいろんなミスが出ましたので。そこらへんをもう1回話してから、次につなげたい」と気を引き締めた。悲願の甲子園へ-。まずは25日準決勝の新潟明訓戦で勝利し、10月に行われる北信越大会への切符を手にする。