公的医療保険で受診時に使う現行の健康保険証は廃止期限(12月2日)まで残り3カ月となった。政府はマイナンバーカードに健康保険証の機能を持たせたマイナ保険証への一本化を目指し、テレビCMなどで普及を呼びかけるものの、利用率は低迷が続く。医療関係者の一部からは懸念の声が上がる。
健康保険証は廃止期限以降、新規発行されなくなる。発行済みの保険証は猶予期間があり、期限後も最長1年間(25年12月1日まで)は使用できる。
マイナ保険証を利用していない人全員に対しては、保険証代わりに使える「資格確認書」が届く。申請不要で、自治体や勤務先の健康保険組合などが24年12月以降に順次発送、有効期限は最長5年となる。
マイナ保険証の7月の利用率は11.13%。マイナンバーを巡る情報のひも付け誤りで国民不信が広がり、一時は4%台まで落ち込んだ。厚労省は5~7月を「集中取組月間」と位置付けテレビCMなど広報に力を入れた。武見敬三厚労相は8月30日の記者会見で「国民の不安解消につながる発信をしていきたい」と語った。