◇パリ五輪・陸上競技(8月1日~11日/フランス・パリ)10日目

日本陸連は8月10日、パリ五輪女子マラソン代表の前田穂南(天満屋)が右大腿骨疲労骨折のため欠場することを発表した。

合わせて、日本陸連は欠場に至った経緯を説明。発端は7月31日の練習時で、右大腿部付け根付近に張りを感じたという。強い痛みっではなかったため、チームドクターに確認をしつつ本番に向けての調整を継続した。

選手村入村後、8月6日にチームドクターの診断とレントゲン検査を受け、翌日にエコー検査を実施。その時点では大きな所見は確認されなかったが、症状が改善されないことから8月9日にMRI検査を実施。そこで、右大腿骨近位に信号変化が認められ、疲労骨折の診断が出された。

前田本人とチーム、コーチとにの話し合いによって、「この状態でマラソンに出場することは今後の選手生命にも関わる重大な問題である」とし、日本陸連が欠場と判断した。

なお、大会の補欠解除指定日だった8月2日時点では本番に向けた調整練習の段階にあり、細田あい(エディオン)の補欠解除決定に至ったという。そのため、代表選手の入れ替えは実施できず、日本時間8月11日午後3時スタートの本番は、鈴木優花(第一生命グループ)、一山麻緒(資生堂)の2名で臨むことになった。

前田は、前回の東京は33位と振るわず、その後もケガなどに苦しんだが、昨年10月のパリ五輪選考レース「マラソングランドチャンピオンシップ」7位を経て、今年1月の大阪国際で2時間18分59秒の日本新記録を樹立。復活を果たして2大会連続の代表に選出されていた。