<大相撲名古屋場所>◇12日目◇25日◇ドルフィンズアリーナ

優勝争いで単独トップを走る横綱照ノ富士(32=伊勢ケ浜)が、大関昇進への足固めの場所として臨んでいる関脇阿炎(30=錣山)を、一気の寄りで1敗を守った。右四つに組み止め、かいなをかえしながら寄り切った。前日は関脇大の里に不覚を取り、初日からの連勝は10で止まったが、連敗は喫しなかった。3場所ぶり節目の10度目の優勝に向け、後続との差は2のままで、13日目にも優勝決定の可能性がある。敗れた阿炎は、6勝6敗となり今場所の2ケタ勝利の可能性はなくなった。

大関陣は、3敗同士で豊昇龍(25=立浪)と琴桜(26=佐渡ケ嶽)が対戦。琴桜がもろ差しで一気に出たが、土俵際で豊昇龍が逆転の首投げを打ち3敗をキープした。

9度目のカド番で臨みながら5勝6敗と苦しい土俵が続いている貴景勝(27=常盤山)は、関脇大の里(24=二所ノ関)を土俵際まで押し込んだが、逆転の上手投げで敗れ7敗目。カド番脱出に残り3連勝が求められる、険しい状況に追い込まれた。勝った大の里は勝ち越しに王手をかけ、大関昇進への足固めとなる2ケタ10勝に望みをつないだ。

大関から陥落した関脇霧島(28=音羽山)は、熱海富士(21=伊勢ケ浜)を右四つ、左上手を引いた万全の体勢で寄り切って7勝目。大関復帰に向け連勝で踏みとどまったが、残り3番で1敗も許されない、厳しい状況には変わらない。敗れた熱海富士は負け越しが決まり、新三役昇進はまたもお預けとなった。

新三役の小結平戸海(24=境川)は豪ノ山(26=武隈)を押し出して、勝ち越しを決めた。返り三役の大栄翔(30=追手風)は、御嶽海に押し出されて、勝ち越しは13日目以降にお預けとなった。

幕内下位で復活を目指す注目力士で、幕内優勝経験のある返り入幕の若隆景(29=荒汐)は、一山本(30=放駒)に攻め込んだ土俵際の詰めを欠き、上手投げで敗れ4敗に後退した。1場所で幕内復帰の遠藤(33=追手風)は、北勝富士(32=八角)を送り出し7連勝。5場所ぶりの幕内勝ち越しを決めた。

12日目を終え、トップは1敗の照ノ富士で2敗力士は不在。2差の3敗で豊昇龍、隆の勝(29=常盤山)、美ノ海(31=追手風)の3人が追う。