来年3月19、20日に予定されている米大リーグの日本開幕戦(東京ドーム)に大谷翔平(29)、山本由伸(25)両投手が所属するドジャースが来日しない方向であることが10日、明らかになった。ドジャースが今季の韓国・ソウルに続いて2年連続で米国以外で開幕戦を迎えることが最大のネックとなったもよう。一方で今永昇太投手(30)、鈴木誠也外野手(29)を擁するカブスの来日が「内定」段階にあることも分かった。

ドジャース・大谷の凱旋(がいせん)は夢と消えることになりそうだ。来年のメジャー日本開幕戦について、日米球界関係者はこの日までに「ドジャースの来日は無理だと聞いている。2年連続で特定のチームが米国以外で開幕戦というのは難しかったようだ」と明かした。

昨年9月にプロ野球の榊原定征コミッショナー(81)が大リーグ機構(MLB)のロブ・マンフレッドコミッショナー(65)と米国で会談。2025年の日本でのMLB開幕戦開催の強い要請を受けた。その後、今年3月に榊原コミッショナーが韓国で行われたドジャース−パドレスの開幕戦を視察した際の会談で日程面で正式合意。3月19、20日に東京ドーム開催、その前にエスコンフィールド北海道で2試合のオープン戦を実施することも確認されていた。

ただ、来日チームについて榊原コミッショナーは「全くの白紙。『日本のファンの期待は大変大きい。そういったものを踏まえて、チームを選んでいただきたい』とのお願いはした」と話していた。

韓国での開幕2連戦は、現地メディアがチケット販売だけで約23億円、観光などの経済波及効果は228億円と伝えており、日本でもドジャースが〝第一希望〟だったことは間違いなく、日本ハムがエスコンでのオープン戦招致に手を挙げたのも日本ハムOBである大谷の来日を見込んでのものだった。

MLBサイドでは来日チームの選考を進める中で、前例のない2年連続の海外開催には移動を含めた選手の負担に加え、何より米国のドジャースファンの強い反発を招きかねないとの判断からドジャースを候補リストから外す方向となったもようだ。MLB関係者の1人も「昨年の段階からそう聞いている」とした。

一方で今永、鈴木が所属するカブスの来日については内定段階で、早ければ今月中にも正式決定する運び。もう1チームについては必ずしも日本人選手が在籍する球団とは限らない見込みだ。

日本では興行元を中心にドジャースの来日に最後まで尽力する構えだが、〝逆転〟の可能性は極めて難しい状況となっている。