(日本生命セ・パ交流戦、オリックス1−2中日、2回戦、1勝1敗、1日、京セラ)災難に次ぐ災難に、目前だった白星までもが手からスルリとこぼれ落ちた。主力の離脱に危険球退場、逼迫(ひっぱく)するブルペン事情…。オリックス・中嶋聡監督は逆転負けした原因に、1得点どまりだった打線を挙げた。

「どんな形でも点を取らなきゃいけないところで取れなかったのが敗因かなと思う」

予期せぬ出来事が連続した。5月31日に右足を痛めて途中交代していた森が右大腿二頭筋の筋損傷と診断されて登録抹消に。紅林も体調不良で欠場した。主力不在の中で臨んだが、さらにアクシデントが起こった。先発の東が四回に細川への頭部死球で危険球退場となり、鈴木が緊急登板する事態に。そこからブルペン陣が必死につないで1点のリードを守ったが、九回に大きな落とし穴が待っていた。

抑えの平野佳は右肘の張りで2軍調整中。代役守護神のマチャドは3連投を避けたかった。九回のマウンドに送り出したのは、5月に支配下登録されたばかりの才木。だが、4連打と犠飛で逆転を許してしまい、その後のベンチで涙を流す結果に。指揮官は「チャンスで点を取れなかったのが、最後の最後に若いピッチャーに対してプレッシャーをかけたってこと」と打線を責めた。

さらに九回裏に登板した中日の守護神・マルティネスの投球に対しても中嶋監督は怒り心頭。走者を背負った状態で、投球動作に入る前に静止していないように見えたと主張し「完全ボークでしょ」と強調した。「あれはちょっとない。あれを許すんやったらなんでもありになる。そこだけはかみつきたい」とぼやきは止まらなかった。

度重なる不運も影響してチームの連勝はストップ。離脱者続出の危機的状況を、全員で耐えながら乗り切るしかない。