新潟市民病院は30日、胸の病気で死亡した新潟県内の10代男性について、医療事故だったとして8300万円余りの和解金を支払うことで合意した発表しました。

新潟市民病院によりますと、死亡した10代男性は2022年12月初旬に漏斗胸を治療するために手術を受けました。その際、手術の合併症としてで肺に穴が開く気胸が発生。男性は外来を受診し、経過観察していました。
男性は一度はよくなったものの、気胸が再発したと思われる症状があったことから、2023年2月中旬に外来を受診。両側の肺に、肺がしぼむ症状が見られたということですが、呼吸の苦しさや血中酸素飽和度が改善傾向だったことなどから、病院では経過観察としました。
さらに1週間後の外来受診でも、呼吸の苦しさもなく、気胸も改善傾向だったということですが、受診の翌日に男性は学校から帰宅後に容体が急変し、両側緊張性気胸による呼吸不全で死亡しました。
病院は2月中旬の外来受診時に、入院してもらい処置するべきだったものの、呼吸苦が改善傾向などだったために経過観察としたことが死亡に至った主な原因だと考えられると判断。医療事故として遺族と和解に向けた協議を進め、このほど和解金8369万7466円で合意に至ったということです。今後6月議会に提出し議決を得るとしています。
病院では、両肺の同時気胸などが認められる場合は、自覚症状が軽かったとしても入院のうえ処置を行うほか、担当する診療科などが密に連携を取り、再発防止を図りたいとしています。