「阪神2−8日本ハム」(29日、甲子園球場)
日本ハムが快勝。3年目の新庄監督にとっては、甲子園での監督初勝利となった。
新庄劇場の幕開けは試合前のメンバー交換。阪神のユニホームで登場し、入団時の背番号63、「新庄監督」のネーム入りで登場し、ファンの度肝を抜いた。
事前に何らかのサプライズを予告していたが、詳細は周囲にも明かしていなかったという。06年の日本ハム選手時代にも阪神ユニホームで登場し、シートノックを受けたことがある。
「選手時代に監督にめっちゃ怒られた。タイガースのユニホームでシートノックを受けて。監督で自分がやったら怒られる人いないかなと(笑)。明日、吉村本部長にめっちゃ怒られます。(事前に)言ってない」と茶目っ気たっぷりに明かした。
実は5番のユニホームも用意していたというが、規定にギリギリ触れそうなこともあってNPBからはすぐに指摘も入ったという。「柔道でいう有効、技あり、あと一回やったら退場って警告来て。あと一回。退場は嫌だしなあ」とニヤリ。見送る可能性が濃厚となった。
新庄監督らしいサプライズは1カ月前からオーダーして準備。「どうしようかなあと思ったけど。怒られる前提で。罰金用意してたもん。岡田さんも記念撮影を快く受け入れてくれて、記念になりました」と感謝した。岡田監督にも事前には伝えていなかったという。
これまでも育ててくれた阪神への恩義を口にしており、その思いを行動に移した。「63番で監督としてメンバー交換をしたかっただけ。こういうことをしたときは試合に勝ってたので、縁起をかついだわけではないが勝てて良かった」とうなずいた。
試合では新庄チルドレンが躍動した。二回に野選に敵失が絡んで2点を先制すると、五回は万波が6号2ラン。七回は1番で起用した水谷が3安打目となる2点適時打。八回は水野、五十幡の適時打でリードを広げた。
先発・伊藤は5回2失点で4勝目。六回からは継投に入り、阪神の反撃をかわした。
甲子園の1勝は「大きい。選手たちは幸せだなあ、と。こんなにすごい球場で、あれだけのファンの前でプレーできる。俺も出たいなあって」としみじみ。2年前は甲子園で3連敗に終わったが、「強いなあ。ファイターズ変わったなあ、と思ってくれたと思うし。こういう戦い方をして、パリーグはファイターズのファンになってくれたら」と手応えも口にした。