福島県いわき市小名浜の小名浜港で25日、初夏の到来を告げる初ガツオが水揚げされた。前日昼過ぎに小名浜沖約100キロで取れた。中型で脂の乗りは良いという。例年よりやや高値の1匹330〜500円で取引された。

 午前6時半、県巻き網漁業協同組合所属の「第22寿和丸」が運んできたカツオが港に設置したベルトコンベヤーに移されると、鮮魚店の関係者らが手に取って吟味していた。

 船主会社の野崎太取締役(41)によると、この日水揚げされた約5トンの漁獲のほとんどはキハダマグロで、カツオはわずか。八丈島周辺や静岡沖などでカツオの魚群を探したが見当たらず、ようやく小名浜沖で見つけたという。近海で魚群を形成するのは例年になく早いといい「その分、鮮度の良いものが水揚げできた。刺し身で味わってほしい」と話した。

 東京電力福島第1原発の処理水海洋放出が昨年8月に始まってから初めての初ガツオでもあり、野崎さんは「風評被害を心配する声は今も聞こえてくる。大丈夫だという意味でも小名浜での水揚げを継続していかないと」と力を込めた。