衆院東京15区補欠選挙は、小池百合子・東京都知事が支援した乙武洋匡氏の落選が決まり、小池氏の影響力の低下を示す結果となった。乙武氏を推薦した国民民主党内からは「親小池」路線の見直しを求める声も上がっている。

 乙武氏は補選で終始劣勢を強いられた。当初想定した自公両党との「相乗り」での支援が実現しなかったことも誤算となった。小池氏は21日投開票の目黒区長選で支援した候補が5000票以上の大差で現職に敗れたばかりだ。「求心力がさらに低下するのは免れない」(自民幹部)との見方も出ており、7月の都知事選や一部で取り沙汰される国政復帰の動向にも影響を与える可能性がある。

 小池氏と歩調を合わせ、「公認並み」(玉木代表)に支援した国民も難しいかじ取りを迫られそうだ。

 国民の浜野喜史選挙対策委員長は28日夜、「政権に対する批判票の受け皿になれなかったことを真摯しんしに反省したい」とのコメントを出した。玉木氏は「(小池氏らとの)心合わせがより進んだ」と連携に意欲を示すが、党内からは「小池人気にすがる戦略は限界だ」との不満も出ている。小池氏との共闘路線が行き詰まれば、執行部の責任を問う声も高まる可能性がある。