昨年5月3日の80歳の誕生日に歌手活動から引退した橋幸夫が15日、東京・文京区の夢グループ本社で「謝罪会見」を行い、活動復帰を発表した。

 真っ黒の着物姿で登場した橋は神妙な表情で思いのたけを口にした。「皆さんこんにちは。最後まで私の思いを語らせて頂きます」。ハッキリとした口調で復帰を決意するに至った経緯を説明した。

 最大のきっかけとなったのはファンからの「橋さんの歌を聴きたいんだよね」という熱い言葉。歌と、歌を聞いてくれる人に人生をささげてきた橋だけに、悩みは日増しに深くなった。そんな折、苦悩を見てきた夢グループの石田重廣社長から「歌を歌いたいのであれば、謝ればどうなんだろう」と提案を受け「謝罪をしたい。すぐにでも歌を歌いたい」と会見を開くことを決意した。

 昨年5月1日には東京・浅草公会堂で歌手活動ラストコンサートを行い「人生は1度しかない。歌手を辞めて新しい夢を目指す、という私のわがままですが、皆さんの応援に感じています」とステージであいさつしていた。

 歌手活動引退後には、デビュー日の7月5日と翌6日に、東京・有楽町で初の書画個展を開催。この時、引退後の生活は「喉の調子とか体調の変化を気にしなくてよくなったので、気が楽になった」と話した。また、妻とも穏やかに暮らしているとし「地方公演とかに行く時間は無くなったので、夫婦2人で過ごす時間が多くなった。のんびり旅行でも行きたいですね」と笑顔だった。

 また、「恩師に頂いた沢山の楽曲を歌い継いでほしい」と思いから開催した約1000人規模のオーディションを開催し、男性ユニット「二代目橋幸夫 yH2(ワイエイチツー)」が誕生。2代目の活動は今後も継続するとし、「「最近は(2代目を)褒めることも増えてきた。どっちも中途半端って言う人もいるかも知れませんが、それを超えてまた私の最後の人生として頑張って頂ければならない、そうさせて頂きたい」と語った。橋は昨年9月に浅草公会堂で行われた「橋幸夫フィルムコンサート」にトークで出演し、同グループと笑顔でフォトセッションに応じていた。