フジテレビ系「ちびまる子ちゃん」(日曜後6・0)の2代目まる子役声優に菊池こころ(41)が決まったことが11日、分かった。初代声優、TARAKO(たらこ)さん(享年63)が3月4日に急死したことで国民的アニメは約1カ月の再放送を強いられたが、緊急オーディションを重ね、中堅の実力派声優が抜てきされた。菊池は「怖い気持ちもありますが、一所懸命努めます」と気合十分。21日放送回から登場する。

病と闘いながら、まる子に命を吹き込み続けたTARAKOさんが天国に召されて1カ月あまり。空席だった2代目声優がついに決定した。

フジテレビでは訃報を受けて、緊急オーディションを開催。制作スタッフは「のんきでぐうたら、でも友達思いで、家族が大好きなまる子。そんな表現豊かで天真爛漫な姿を演じていただける方にお願いしたい」と時間の許す限り複数回行い、「自信を持ってこの方しかいないという声優にめぐり会えた」と満場一致で菊池に決まったという。

TARAKOさんより22歳若くなるが、人気アニメ「BORUTO−ボルト−NARUTO NEXT GENERATIONS」のうちはサラダ役や「ワンピース」のトコ役を務めた実力派。「ちびまる子ちゃん」には2018年放送の「まる子、幽霊を助ける」で出演した縁もある。

菊池はマネジャーから合格の知らせを受けた瞬間について「うれしい…緊張、安堵、不安、何だかよく分からない複雑な感情で頭がいっぱいになりました」と偽らざる胸を内を吐露。ただ、6年前に参加した際「皆さんが明るく楽しく収録に臨んでいて、その中心にTARAKOさんがいた。放送開始から毎週見ている大好きなアニメでしたが、その日からもっと大好きになりました」と振り返る。

重責を担うことに「TARAKOさんが大事に演じ続けてきたまる子役に正直怖い気持ちもありますが、大好きな気持ちを大切にして一所懸命努めます」と誓った。

3月24日放送の1話分を除き、同10日から再放送を続けてきたが、今月21日から菊池まる子となる。収録は1話分終わっており、同局は「TARAKOさんが育てたイメージを大切にしながら菊池さんらしさも加わった新鮮なまる子になっています」と太鼓判を押す。

初登場の21日から6月9日にかけて同番組では原作に忠実な話を集めた「季節まるごと!さくらももこ 春夏秋冬の原作まつり」を開催。第2章が幕を開ける。

■菊池 こころ(きくち・こころ) 1982(昭和57)年11月9日生まれ、41歳。東京都出身。人材育成機関の東映アニメーション研究所を経て声優デビューし、「金色のガッシュベル!!」「ふたりはプリキュア」などに出演。2008年に「ねぎぼうずのあさたろう」でヒロインを務める。代表作に「BORUTO−NARUTO−」シリーズのうちはサラダ役。趣味は園芸。特技は犬に好かれる、人ごみをサクサク歩ける。身長144センチ。