「ドジャース−カージナルス」(30日、ロサンゼルス)

 ドジャースの山本由伸投手が本拠地初のマウンドに上がり、1回を三者連続三振で立ち上がった。最終的に中断を挟んだが5回2安打無失点、三塁を踏ませない圧巻投球。メジャー初勝利の権利を手にした。

 雨が降り注ぐ中、先頭を変化球で見逃し三振に仕留めると、ゴールドシュミットにはストレートで押し込み最後は低めのスプリットで空振り三振に斬った。ゴーマンに対しても変化球を駆使して追い込み、大きな拍手に包まれる中、スプリットで空振り三振に仕留め、大歓声がわき起こった。

 続く二回は先頭のアレナドを右飛に仕留めたが、カーペンターには速球で詰まらせながらも左前に落とされた。ヘレーラの補ゴロ間に得点圏へ進められたが、バールソンを2球で追い込み、3球目の低めスプリットで空振り三振に仕留めた。三回も危なげなく三者凡退。44球で序盤3イニングを投げ抜く完璧な内容となった。四回も三者凡退に仕留めた。

 五回表が始まる前には35分間の中断を挟んだが、異例の続投。五回も2死二塁のピンチを招いたが、しっかりと後続を打ち取って無失点。直後に打線がフリーマンのタイムリーなどで2点を先制し、メジャー初勝利の権利をつかんだ。

 ソウルでの開幕第2戦では1回5失点でKOされた山本。防御率は46・00と不本意な数字となり、セットポジションに改良を加える考えを明かしていた。二回に走者を背負った場面では胸の位置にグラブを置いており、立て直しへ試行錯誤を重ねた。

 試合前、山本のロッカーには誰が作ったか分からない「てるてる坊主」がつるされていた。降水確率が高く、試合開催も危ぶまれるドジャースタジアムでは試合前から雨がぱらつき、四回裏には強さが増してグラウンドに水が浮く状態に。スタッフが土を入れるなどの整備を行ったが、五回表が始まる前に中断。グラウンドにはシートがはられたが、再開後も続投。集中力を切らさなかった。