お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志(60)が自身の性的暴行疑惑を報じた「週刊文春」に名誉を毀損(きそん)されたとして、発行元の文芸春秋などに、5億5000万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が28日、東京地裁で開かれる。原告の松本は一連の報道は「事実無根」として徹底抗戦の構えを見せ、文春との全面戦争の様相を呈している。今回、松本は出廷しない予定だが、今後法廷で証言する可能性は高いという。

 これまで「お笑いに未練はない」と冗談も含め、何度か引退を示唆したこともある松本。今回の件をきっかけに、現役続行を決意し、周囲に浜田雅功(60)とのコンビ解散も否定している。25日には、松本の代理人を務める弁護士事務所を通じ、「一日も早く、お笑いがしたいです」との思いをつづっている。

 記事は昨年末から12回掲載され、10人近くの女性が証言者として登場したが、今回は、昨年12月27日発売号に掲載されたA子さんとB子さんの記事について争われる。松本は5・5億円の慰謝料を請求しているが、最も重要なのは「名誉の回復」。関係者によると、名誉毀損が松本の納得のいく形で認められれば、早期決着もあり得るという。

 一方、28日発売の「週刊文春」では、A子さんの独占手記を掲載。2015年冬に都内ホテルのスイートルームで、松本から性的暴行を受けたと改めて主張した上で、法廷で証言するとしている。

 週刊文春は松本が提訴した1月22日、「一連の記事には十分に自信を持っています。現在も新たな告発者の方々のお話をうかがい、慎重に裏付け取材をしております。提訴によって萎縮(いしゅく)することなく、今後も報じるべき事柄があれば、これまで通り報じてまいります」とコメントしている。

 ◆松本人志報道の経過

 ▼2023年12月27日 松本らが都内のホテルで複数の女性に性的暴行を加えたと週刊文春が報じる。

 ▼24年1月8日 松本が裁判に注力するため、活動を休止すると表明。

 ▼同22日 文芸春秋に名誉毀損による損害賠償などを求め、東京地裁に提訴。

 ▼3月25日 「人を笑わせることを志してきました。世間に真実が伝わり、一日も早く、お笑いがしたいです」との談話を発表。

 ◆ナイトスクープ局長代理を継続 〇…ABCテレビ(大阪)の春の改編発表会見が27日、大阪市の同局で行われた。松本が局長を務める「探偵!ナイトスクープ」(金曜・後11時17分)は、現在探偵が週替わりで局長代理を務めている。北中彰編成部長は「松本さんに関しては、まだ未定なところがありますが、現在は局長代理という形で、探偵の方に代理の局長を務めていただいており、(今後も)その形で放送します」とした。