偉大な記録に王手だ。大相撲春場所10日目(19日、大阪府立体育会館)、全勝の新入幕尊富士(24=伊勢ヶ浜)が1敗の幕内大の里(23=二所ノ関)を一気に押し出して無傷の10連勝。後続との星の差を2つに広げ、独走態勢に入った。

 取組後は「気分は変わらないです。(館内の)歓声がすごいなと思ったんですけど、土俵は自分と大の里関だけだったので。いい相撲を取ろうと思った」。優勝争いの行方を左右する大一番でも冷静さを失わず、2桁白星に到達。「結果としては、いい結果だと思う」とうなずいた。

 11日目の20日は新大関琴ノ若(26=佐渡ヶ嶽)との顔合わせ。新入幕で大関初挑戦が決まった。「相手にのまれないように。上の方たちばかりなので、向かっていく気持ちでやりたい」と気持ちを引き締めた。

 この日の白星で「昭和の大横綱」大鵬が新入幕でマークした11連勝にも王手。さらに、新入幕Vなら1914年5月場所の両国以来110年ぶりの快挙となる。終盤5日間の土俵に注目だ。