◆競泳 ▽パリ五輪ほか国際大会代表選手選考会 第3日(19日、東京アクアティクスセンター)

 女子100メートル平泳ぎ決勝が行われ、鈴木聡美(ミキハウス)が1分5秒91で1位に入り、派遣標準記録を破って2大会ぶり3度目の五輪切符をつかんだ。自己ベストだった1分6秒20を更新し、日本勢では2016年リオ五輪の男子・松田丈志の32歳の史上最年長代表記録を塗り替える33歳での五輪出場を決めた。タッチ板に手をついて優勝が決まると大きな瞳を見開いてビックリ顔となった。レース後、自己ベストを更新する鉄人の秘訣を「丈夫な体と負けず嫌いな心です」と言ってのけた。

 鈴木の五輪代表は2大会ぶり3度目。21歳で初出場した2012年ロンドン五輪は3種目にエントリーし、200メートル平泳ぎで銀メダル、100メートル平泳ぎと400メートルメドレーリレーでは銅メダルを獲得。競泳女子史上初となる同一大会で3つのメダル獲得の快挙を達成した。2016年リオデジャネイロ五輪は100メートル平泳ぎに出場したが8人で争う決勝トーナメントに進出できず準決勝で敗退。21年東京五輪は代表選考会で100メートル平泳ぎ3位、200メートル平泳ぎ7位に終わり五輪代表権を逃した。

 2大会ぶりの五輪切符を目指し、18日に行われた予選では昨年の世界水泳で記録した自己ベストに0秒01に迫る、1分6秒21をマーク。全体1位で決勝に駒を進めた。自己ベスト更新を狙った準決勝では、序盤から積極的なレース運びで、青木玲緒樹に次ぐ1分6秒29の全体2位で決勝進出を決めた。

 1月に33歳を迎えたが、体は全く衰えていない。ハードワークを行い、自分を追い込んできた。準決勝後には「水泳人生の中で一番コンディションが良い状態が、昨年から続いている」と生き生きとした表情で語っていた。「良かったときほど、しっかり反省」という監督からの教えを胸に、3度目の夢舞台出場を決めた。