大リーグ、ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手(29才)がSNSで妻・田中真美子さんとの2ショットを公開。開幕戦が行われる韓国に到着した際には、大フィーバーとなった。臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、大谷がこのタイミングで公開した背景について分析した。

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 ドジャースの大谷翔平選手が新妻の写真を公開したのは、自身のインスタグラムのストーリーズだった。写真が撮られたのは、20日から始まる韓国での開幕シリーズに向け、米アリゾナ州から飛び立つ飛行機の前。寄り添う2人の他には通訳の水原一平さん(39才)とその妻とみられる女性、山本由伸選手(25才)と通訳の園田芳大さん(46才)の6人が写り、韓国語で「楽しみ」という文字が載っていた。

 大谷選手に寄り添う女性は、スラリとした体型でかなりの高身長。立ち姿が美しく、御そろいのスポーツウェアの着こなしが自然で、着慣れている印象だ。大谷選手と醸し出す雰囲気も顔もよく似ている。何ら違和感を与えない2人を見ると、結婚発表後の囲み会見でどんなところに惹かれたかという質問に、「これ1つというわけではなくて、全体的な雰囲気があっているかなと」と答えたのも頷ける。

 その後、球団の公式Xが2人の写真を公開。キャプションには「韓国へ出発前の大谷と彼の妻の写真」と書かれていたことから、女性は大谷選手の妻と確定された。その後、球団がCNNの取材に対して妻が「田中真美子さん」であることを認めたと報じた。

 移動前というタイミングもベストだ。一夜明ければチームは韓国。記者たちがチームメイトに取材したくても、アリゾナキャンプにも本拠地のスタジアムにも誰もいない。チームメンバーらに迷惑をかけることなく、人々が一番関心を持っているポイントだけをさらりと公開し、メディアや世間の目を開幕シリーズへと向けてしまう。いかにも大谷選手らしいやり方だ。

 プライベートを明かすのを好まない大谷選手だけに、写真公開直後からメディアもネットも大騒ぎ、この話題をトップにニュースとして取り上げていた情報番組もあった。なぜこのタイミングで公表したのか、というのは誰もが考えることだ。妻について詮索、憶測、推測が飛び交っていたため、それを止めたかったということもあるだろうが、一番の理由は野球に専念したいからに尽きる。結婚会見の時も「皆さんがうるさいので」と言った後で、「あとは野球に集中したいのが一番だった」と明かしていた。

公開は「野球に集中したい」からか

 野球に集中したいからこそのタイミング、あの写真だったのだ。それは妻の存在が彼の目指す野球そのものに関係するから。メジャーの多くの球団は選手だけでなく家族もチームの一員だという話をよく聞く。試合や遠征には家族が帯同するケースも多く、家族も一緒に戦うチームの一員だ。大谷選手の妻もこれからは、チームの一員として彼の、彼らの野球に関わっていくことになる。大谷選手にとってはただ単に妻を公開したというより、チームの一員となった妻を公開したということではないだろうか。自身にとって強力なサポーターである新しいメンバーを紹介したと思えば、チームメンバーらと御揃いのウェアも、一緒の出発前の写真も、そこに添えられた「楽しみ」という言葉も不思議ではない。すべては野球に関係しているのだ。

 だから大谷選手自身からは写真以上の情報は公表されなかった。新妻の名前もなし。名前はプライバシーそのものだからだろう。その人を特定するだけでなく、家族や関係者まで特定してしまう。彼の愛犬、デコピンはどうかといえば彼もまた少なからず野球と関係する。大谷選手が右肘の手術を受けた後、あるインタビューでデコピンを飼い始めた理由を聞かれ、「一緒にこうリハビリを頑張りましたね」と答えている。彼の中では野球に関係するか否か、その線引きが明確に引かれているのだろう。

 韓国での開幕リーグ、新妻の応援を受けながら高尺スカイドームの空に描くアーチは、きっとこれまで以上に気持ちがいいことだろう。