異例の警告だ。大相撲春場所2日目(11日、大阪府立体育会館)、十両伯桜鵬(20=宮城野)が十両千代栄(33=九重)を寄り切って2連勝。今場所限りで宮城野部屋の閉鎖が現実味を帯びる中、好スタートを切った。この日は宮城野親方(元横綱白鵬)の39歳の誕生日。伯桜鵬は「結果を出すことが恩返し。勝てたことは良かった」と師匠への思いを吐露した。

 一方で、取組後に審判部に呼び出され、注意を受ける場面もあった。しかも、初日に続いて2度目だったことが判明。関取が2日連続で審判部から注意を受けるのは、異例の事態だ。審判部副部長の粂川親方(元小結琴稲妻)は「(立ち合いの)手つきが悪い。昨日も注意して、今日も同じようなことをした。2日続けたら、注意しないと」と説明した。

 粂川親方によると、春場所前に開かれた力士会の場で、審判部から各力士に手つきの徹底を通達していたという。同親方は「力士会でも、悪いやつは呼び出して注意するよと言ったはずなのに…。(手を土俵に)ついていればいいんだけど(伯桜鵬は)ついているようには見えない。細かいことだけど、皆が守っている」と苦言を呈した。

 さらに「(手つきの徹底を)『稽古場からやるように』とも言ってあるんだけど。稽古場もそうだから、同じようになっちゃう。注意してやらないと。本場所ですぐ直せと言ったって、すぐできるわけじゃない」とも指摘する。くしくも、宮城野親方は元幕内北青鵬の暴力行為で懲戒処分を受けたばかり。あくまで別問題とはいえ、師匠による日ごろの指導が問われる格好となった。

 粂川親方は最後に「伯桜鵬は、どんどん上に上がっていく力士なんだから。今、ちゃんとしておかないと」とも付け加えた。審判部の厳しい対応も、期待の裏返しということか。伯桜鵬は「立ち合いが良くなかったので修正したい」と改善へ意欲を示した。