◇大相撲春場所2日目(2024年3月11日 エディオンアリーナ大阪)

 元幕内・北青鵬の暴力事件に揺れる宮城野部屋の処遇について、同じ伊勢ケ浜一門の大島親方(元関脇・旭天鵬)が言及した。

 宮城野部屋は春場所限りで一時的に閉鎖となり、所属力士を同じ伊勢ケ浜一門内の別の部屋に移籍させる案が複数出ている。その中で大島部屋が移籍先の候補として浮上。大島親方は「うちは協力する気はある」と前向きな姿勢を示した。

 宮城野部屋には現在、全45部屋の中で8番目に多い20人(新弟子含む)の力士が所属している。

 大島親方は「あれだけの人数だからなかなか大変」と全員を寝泊まりさせるスペース確保の難しさを述べた上で「例えばうちに来たら上がり座敷で寝るとかも考えている」と具体的な対応策も明かした。

 大島親方がモンゴルから来日して入門したのは、新弟子検査受検者数が史上最多の160人だった1992年春場所。当時は大島部屋の所属力士も30人を超えており「入った頃は稽古場の上がり座敷で寝ていた」という。自らの経験も踏まえ、苦境の打開策を提示した。

 ただし、一門内でまとまった意見だけでは決まらず、それを基に日本相撲協会執行部が最終判断を下す流れとなっている。大島親方は「理想は全員で1カ所に」と期待を込めたものの「(春場所が)終わるまで結論は出ない。全部は上(の人たち)が決めること」と述べた。