任天堂の人気ゲームキャラクター、ドンキーコングが巡業の旅に出た。テーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(USJ、大阪市)が、この春オープンの新エリア「ドンキーコング・カントリー」のPRの一環として、お膝元の関西ではなく、東京、名古屋、福岡で、新エリアの雰囲気を味わえる特設会場を各2日間開設。事前体験の機会をつくることで、広域からの来場客の掘り起こしを図っている。

 USJの「スーパー・ニンテンドー・ワールド」は2021年に開業。エリアを1・7倍に拡張して新設するドンキーコング・カントリーは、キャラクターたちが暮らすジャングルの世界観を再現し、進行方向が予測できない新型の乗り物アトラクションのほか、キャラクターになりきって八つの太鼓を指示通りたたく「コンガ」など、全身を使って遊べるコーナーも多い。

 オープンを間近に控え、認知度を上げるため、定石通り広告での周知を行う一方、USJが注力しているのは関西外でのPR活動だ。

 特設会場は2月15〜16日に増上寺(東京都港区)、2月22〜23日に久屋大通公園(名古屋市)、3月7〜8日に福岡タワー(福岡市)でそれぞれ開設。事前申し込みのファンから抽選で計約3000人が招待され、来場者は「レッツ・プレー・ワイルド」のかけ声に合わせて跳びはねながら太鼓をたたいていた。

 USJの運営会社によると、増設エリアのPRのために関西以外でイベントを本格的に開くのは初めてで、担当者は「実際に体を動かし、遊ぶ様子を見てもらうことでイメージがわく。テレビや動画では伝わりにくい魅力を感じてもらい、全国から話題を盛り上げたい」と話し、ネット交流サービス(SNS)での拡散も期待。遠方からの来場客の底上げを狙う。