「ドラゴンボール」や「Dr.スランプ」などで知られる漫画家、鳥山明さん(68)の死去が8日、明らかになった。

 あなたにとって鳥山明とは――。漫画やアニメの聖地とも言われる東京・秋葉原で聞いた。

 「生活の中でいつも身近にあったのが『ドラゴンボール』だった」。買い物に来ていた千葉県松戸市の女性(40)はそう話す。30年ほど前、夕食を家族で囲んでいると様々なテレビアニメが放映されていた。ドラゴンボールはそのうちの一つだった。

■「思い出が走馬灯のように」

 願い事をかなえてくれる「神龍(シェンロン)」や1粒でおなかを満たし、回復作用もある「仙豆(せんず)」……。テレビや単行本を通じて非現実的な世界に触れ、友達と共有した。1人きりの時は両腕を上げるポーズをまねて必殺技の「元気玉」ができないか試したこともある。

 今でも夫との会話でドラゴンボールのセリフが出てきてしまうほど。それだけに鳥山さんの死については「思い出が走馬灯のようによみがえってしまい、表現できない」と女性。「(鳥山さんの)年齢を初めて知った。まだまだお若いのにとても残念です」

 会社員男性(41)にとってもドラゴンボールは特別な存在だ。小学生のころは「一番はやっていた」漫画といい、「格闘シーンがかっこよかった。(主人公の)悟空などになりきって『ごっこ遊び』をした記憶もあります」。鳥山さんの訃報(ふほう)はスマートフォンのニュースで知ったといい、「『なんで?』って思った。これからも作品を読みたかった」と悔やむ。