神奈川県大井町の東名高速道路で平成29年、あおり運転で4人死傷事故を引き起こしたとして、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)などの罪に問われた石橋和歩被告(32)が、懲役18年とした1審判決を支持した26日の東京高裁差し戻し控訴審判決を不服として27日、上告した。26日に行われた差し戻し控訴審の判決公判では、裁判官らに「俺が出るまで待っとけよ」と発言し、法廷を後にした石橋被告。過去の公判でも、被害者遺族にとっては自己中心的とも受け取れる発言を繰り返していた。

平成30年12月に行われた1審・横浜地裁での裁判員裁判の第3回公判の被告人質問で、石橋被告は事件の経緯を明かしている。石橋被告はパーキングエリア内の通路に車を止め、たばこを吸っていたところ、萩山嘉久さん=当時(45)=から「邪魔だ」と注意されたことに逆上。公判では「カチンときて(萩山さんに)文句を言おうと追いかけた」と証言している。

また、石橋被告は、萩山さん一家の車を追いかけ始めた直後にパッシングした目的を問われ、「止まれっちゅうことです」と公判の中で明かしている。

26日の判決公判で、東京高裁の安東章裁判長は、1審の判断は「論理則、経験則に照らして不合理とはいえない」として、「妨害運転をしておらず、被害者らの死傷と因果関係がない」とする弁護側の主張を退けた。