◆卓球 世界選手権団体戦第9日(24日、韓国・釜山)

 女子決勝で日本は2―3で中国に敗れ、5大会連続の銀メダルだった。日本は1971年大会以来53年ぶりの世界一を懸け、張本美和(木下グループ)、早田ひな(日本生命)、平野美宇(木下グループ)のパリ五輪代表3人を起用。第2試合で早田、第3試合で平野が白星を挙げ、頂点に王手をかけたが、第4、5試合を落とした。中国は6連覇を飾った。

 トップバッターを託された15歳・張本美は、世界ランク1位と孫穎莎と対戦した。2―3で惜敗した昨年12月のWTTファイナルから約2か月間で3度目となる世界女王との対戦。第1ゲームは得意のチキータをカウンターされるなど苦しい展開となり、5―11で落とした。第2ゲームは8―8と食い下がったが3連続失点。第3ゲームも4―11で、黒星スタートとなった。

 だが、2番手でエースの流れを変えた。早田が東京五輪女王の陳夢と対戦。第1ゲームは相手の厳しいレシーブに攻撃の形を作れず、6―11と先取されたが、第2ゲームは5―5から相手の強烈なバックハンドドライブをフォアで鮮やかなカウンター。このプレーで勢いに乗り、11―8で取り切ると、第3ゲームは相手の猛追を振り切って11―9とした。第4ゲームは4―7から挽回し、14―12で競り勝った。

 第3試合で平野も続いた。過去1勝4敗だった世界ランク2位・王芸迪との顔合わせ。バック対バックのラリーで互角以上に渡り合うと、要所でチキータも効いて、第1ゲームを11―8。第2ゲームもラリー戦で一進一退の攻防が続いたが、13―11で奪取し、第3ゲームも接戦の末に12―10。世界2位をストレートで打ち破り、両手を突き上げて歓喜。ベンチに戻ると、張本美らと抱き合って喜んだ。

 悲願の打倒・中国へ、王手をかけた第4試合は早田と孫のエース対決となった。ここは世界女王が底力を見せ、0―3で2勝2敗の五分に。最終第5試合。命運を託されたのは15歳だった。

 張本美は両ハンドからの速い攻撃で五輪女王の陳夢を圧倒。第1ゲームを11―4で奪ったが、高い集中力で流れを引き戻してきた相手に第2、3ゲームを落とした。第4ゲームは7―5とリードしたが、ラリー戦でわずかに上回られ、ゲームカウント1―3で金星を逃した。

 早田は23日の香港との準決勝後、「あと一つの壁があまりにも高すぎて、厚すぎてっていう感じだと思うけど、自分たちがやってきたことを全力で出して、後悔ないように一戦一戦、みんなで力を合わせて頑張っていきたい」と語っていた。ベンチも含めて総力で高く、厚い壁の頂に手をかけたが、わずかに及ばなかった。今夏のパリ五輪で、雪辱を目指す。