ダウンタウン松本人志が週刊文春を発行する文藝春秋などを訴えた裁判の第一回口頭弁論が3月28日、東京地裁で開かれることが決まった。

 文春は昨年暮れに松本の女性問題を報道。対する松本は文藝春秋などを相手取り、5億5000万円の損害賠償を求めて提訴。裁判に専念するため、芸能活動を休止した。

 松本の代理人は「筆舌に尽くしがたい精神的損害を受けた」とコメント。普段聞き慣れない「筆舌に尽くしがたい」とは「あまりにはなはだしくて、文章や言葉ではとても表現できない」ことを指す。

 芸能関係者は「かなり強烈な言葉。精神的損害とともに、松本さんが一連の報道に怒り心頭であることも伝わってくる」と解釈する。

 松本以外にもこの表現が使用されたことがある。2022年11月、女優の松原千明さんが米ハワイ州の自宅マンションで死去していたことがわかると、長女すみれの所属事務所は公式サイトで「すみれも未だ筆舌に尽くしがたい哀しみの中にいる」と伝えた。

 女優の釈由美子も2016年3月、飼っていた愛犬が亡くなると、自身のブログで「私にとって、一番耐えられないことが起き、筆舌に尽くしがたい悲しみにずっと襲われています」と記した。

 ここからもわかる通り、「筆舌に尽くしがたい」は、肉親や家族同然のペットが他界した究極的な状況下で飛び出すワードだ。

 一方、ポジティブな表現でもまれに使うケースがある。今年1月、女優の石田ひかりがSNSに女優・上白石萌歌とのツーショット写真を公開。「もかちん楽しかったね むちゃくちゃ美味しかったね またデートするよ! ほろ酔いもかちんは、筆舌に尽くしがたいかわゆさでしたわよ」と最上級のホメ言葉を並べた。

 松本は訴状で「性的行為を強要した客観的証拠は存在しない」と主張しているという。つまり性的行為も有無よりも、性加害について断固否定していくつもりのようだ。

「文春側は性加害があったとは書いておらず、松本さんから性的行為を強要された女性がいるというのを摘示している。しかし、世間にはまるで性加害があったかのように伝わっている。松本さんも納得していない。この辺りを裁判所がどうジャッジするか」とはテレビ関係者。

 芸能史に残る注目の裁判となりそうだ。