俳優で歌手、大泉洋(50)が2日、初となる東京・日本武道館公演を行った。昨年12月から5カ所9公演を巡った初のリサイタルツアーの千秋楽では、ロックスターさながらに新曲やカバー曲など19曲を一夜限りの演出で披露するも、ピアノの弾き語りでは間違えまくり、「武道館には魔物がおるな」と嘆き節。感動あり笑いありの大泉劇場で約1万3000人を興奮の渦に巻き込んだ。

生誕50周年の大泉が音楽の聖地で躍動した。

中央に設置されたステージを360度、約1万3000人が取り囲む。圧巻の客席前に飛び出した大泉は赤いマント姿。自身の生誕50周年記念像と同じ姿というユーモアあふれる演出で、「おっぱじめようぜ、東京! 会いたかったぜ、子猫ちゃんたち!!」とシャウト。初めて見る光景に「恐ろしいね。センターステージ。俺のサービス精神があだとなって若干、目が回っている」と苦笑いするなど、冒頭のMCから14分もしゃべり倒し、観客を爆笑させた。

大泉にとって初のライブツアーは、昨年12月から5都市9公演を巡り、計約2万9000人を動員。チケットは即日完売し、多くの申し込みとファンの要望を受け、全国の映画館で2日のライブビューイングと翌3日のディレイビューイングの開催も決めた。

初武道館は演出も特別仕様。歌手、沢田研二(75)のヒット曲「TOKIO」のカバーで幕開けすると、新曲「コラーゲン。」を初披露したり、米歌手、マイケル・ジャクソンの代表曲「マン・イン・ザ・ミラー」のカバーなども歌唱。

トークもさえわたり、MCだけで計60分以上を費やすなど独演会の場面も。終盤の名曲「ハナ〜僕とじいちゃんと」ではピアノの弾き語りを初披露するも、イントロで間違えまくり、「武道館には魔物がおるな。あんなに練習したのに、リハだって弾けたのに。すみません、スタッフさん、延長料金確定です」と涙顔。8回目でようやく成功し、観客が総立ちで拍手を送ると、「俺らしいよね。感動の渦が爆笑になってしまいました」と自虐トークで笑わせた。

最後は何度も客席に投げキスをして、「ありがとう!!」と絶叫。一昨年まで3年連続でNHK紅白歌合戦の司会を務め、昨年は紅白に白組歌手として初出場。節目の年に武道館アーティストという肩書を増やした国民的エンターテイナーは、パワー全開で今後も日本に元気を与え続ける。