能登半島地震で、気象庁は26日、現地調査の結果、石川、富山、新潟3県の少なくとも計19地点で津波が陸上に到達していたと発表した。津波が陸地を駆け上がった到達点(遡上そじょう高)が最も高かったのは新潟県上越市で、5・8メートル(速報値)だった。

 気象庁の機動調査班が11〜20日、3県の津波観測点付近や大きな被害があった地点で調査を実施。海から押し流されたごみの位置や、民家の壁についた水などの跡から、海面からどれぐらいの高さまで津波が届いたかを示す「遡上高」や、痕跡からどの高さまで水が来たかを示す「痕跡高」を推定した。

 その結果、遡上高は▽新潟県上越市の船見公園で5・8メートル▽同市の直江津海水浴場で4・5メートル、痕跡高は▽石川県能登町白丸で4・7メートル▽同県珠洲すず市の飯田港で4・3メートル――に達していたことがわかった。

 発生直後の気象庁の発表で、「1・2メートル以上」と最も大きな潮位上昇が見られた輪島港(石川県輪島市)では、浸水の痕跡が確認できず、遡上高などの推定ができなかったという。

 気象庁地震津波監視課は「今後、メカニズムの分析を進めたい」としている。