昨季限りでヤクルトを戦力外となった吉田大喜投手(26)が、今季から社会人野球・東邦ガスでプレーすることが15日、分かった。悩んだ末に家族とともに愛知県に移り住み、現役を続行することを決断。新たなステージで再びマウンドに上がる。

「だいぶ悩みましたが、東邦ガスの宇津野監督を始め、皆さんがすごく良くしてくれた。『一緒に野球をやろう』と言ってくれてすごくうれしかったです。今度は会社の代表としてプレーできることは光栄です」

吉田は大阪・大冠高、日体大と進み、大学4年時には明大・森下(現広島)、苫小牧駒大・伊藤(現日本ハム)らとともに日本代表にも選出された。2020年にドラフト2位でヤクルトに入団。同期でドラフト1位の奥川とともに将来のローテーション候補として期待された。だが、故障もあって登板機会が減り、昨季は1軍登板なし。通算32試合で3勝9敗、防御率5・24の成績で、昨年11月15日には12球団合同トライアウトを受けていた。

戦力外通告を受けてからは、4歳上の愛妻とも家族会議を重ね、現役続行を決断。「NPBの育成や、独立リーグからもう一度NPBを目指す気持ちにはなれなかった。社会人野球に進んで、家族を支えていくという風に決めました。野球をやめて東京に残るという選択肢もありましたが、野球を続けたいという気持ちを家族も尊重してくれました」と背中を押してくれたことに感謝した。

初めて踏み入れる社会人野球の世界。「わからないことばかりなので、元プロ野球選手ではなく、いろいろ教わりながら一緒にうまくなっていきたい」と謙虚に語った。東邦ガスは都市対抗に通算16度、社会人野球日本選手権に通算10度出場。ともに最高成績は8強で悲願の優勝のためにも腕を振る覚悟だ。

「都市対抗で優勝したいです。監督さんもわざわざ東京に来ていただいて熱心に『野球をやろう』と言っていただいた。そんな監督さんを勝たせてあげられるように、自分の力を出したいと思います」と吉田。新天地で気持ちも新たに、第2の野球人生をスタートさせる。