J3大宮は11日、同クラブのU―18フィジカルコーチ兼U―18コーチを務める横山知伸さんが4日に死去したと発表した。38歳だった。葬儀は家族葬で執り行われ、後日「お別れの会」を執り行う予定という。

 東京都出身の横山さんは早大から2008年に川崎へ入団。C大阪、大宮、札幌、熊本、岐阜でプレーし、Jリーグ通算210試合に出場。18年12月に脳腫瘍と診断されて手術を受け、19年に岐阜に加入。20年2月に現役引退を発表した。

 引退後は札幌アカデミーのフィジカルコーチを務め、23年に大宮トップチームのフィジカルコーチ、同年5月にU―18フィジカルコーチ兼U―18コーチに就任していた。

 大宮の佐野秀彦社長はクラブを通じてコメントを発表した。

 「大宮アルディージャは、とても大切なかけがえのない仲間を亡くしました。突然の訃報に接し、信じられない気持ちでおり、悲しみにたえません。

 今夏、脳腫瘍の再発の診断されてから、必ずピッチに戻るという強い意志のもと、懸命に治療、リハビリに励んでまいりましたが、残念ながら帰らぬ人となり、無念でなりません。

 トップチームの選手としてともに戦った2014‐2016シーズンは、強固なディフェンス力と確かな技術、そして空中戦の強さを武器に、チームを多くの勝利に導く活躍をしてくれました。2015シーズンの『J2優勝 J1昇格』、2016シーズンの『J1最高順位』は彼の活躍なくては成し得なかったことでありました。ピッチを離れても持ち前の明るいキャラクターと細やかな気遣い、類稀なるコミュニケーション力でチームを、そしてクラブを明るく照らし続けてくれました。

 2018年末に脳腫瘍を発症した際には、『必ず選手としてピッチに戻る』という強い意志を持って治療に向き合い、プロサッカー選手としてJリーグの舞台に戻ってきた姿は、我々をはじめ多くの方々に勇気と感動を届けてくれました。2019年2月9日、NACK5スタジアム大宮で大宮アルディージャサポーターがいち早く闘病中の横山選手へ送ってくれた励ましのチャント、そしてコールが彼の挑戦を後押ししてくれたと思っております。

 2023シーズン、トップチームのフィジカルコーチとして7シーズンぶりにクラブへ戻ってきてからも、自身を成長させてくれたサッカー界へ恩返しすべく、これまでの経験をもとに選手の成長、チームの成長のために全てを大宮アルディージャへ費やしてくれました。

 未来に向かい、ともに成長を続けていく仲間との早すぎる別れは、残念でなりません。クラブスタッフ一同、横山コーチの常に高みを目指し挑戦し続ける勇姿を心に刻み、意思を引き継ぎ精進してまいります。

 ご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申しあげますとともに、心からご冥福をお祈りいたします」