藤井聡太竜王(21)=王将、名人、王位、叡王、王座、棋王、棋聖含む8冠=が同学年の伊藤匠七段(21)を挑戦者に迎える第36期竜王戦7番勝負第4局は11日、北海道小樽市の銀鱗荘で2日目が指し継がれ、先手の藤井が129手で勝って4連勝で3連覇を決めた。

 藤井は8冠達成後初のタイトル防衛で、これでタイトル戦は初挑戦の20年棋聖戦から19連勝。大山康晴15世名人による歴代最多の連続獲得期数(63年度名人戦〜66年度名人戦)に並んだ。

 藤井は「難しい将棋だったが、第3局は比較的うまく指せた。充実したシリーズだった」と振り返り、「まだ実感はないが3連覇という結果を出せたことは良かった」と喜びを語った。

 前日の第1日は午前中から壮絶な攻め合いとなり、対局によっては終局に相当する82手目まで進行。消費時間(各8時間持ち)は伊藤の2時間40分に対して藤井は4時間34分で、ほぼ2時間のハンデを抱える形で第2日の対局が始まった。初日は早指しだった伊藤は封じ手に66分を費やすなど一転して時間を使い、昼食前に残り時間は逆転。小学3年時に出場した大会で勝ち、「藤井を泣かせた男」として話題となった伊藤のタイトル初挑戦はほろ苦い結果となった。

 藤井竜王は10月11日に史上初めて全8冠を独占して以降も、竜王戦、JT杯準決勝と勝利を続けている。