オリックス・伏見寅威捕手(32)が6月に取得した国内FA権の行使を決断したことが5日、分かった。自身の進路について熟考を重ねていたが、この日までに球団側へ行使の意向を伝えた。週明けに申請書類を提出予定で、他球団では日本ハムなどが本格調査に乗り出す見通しだ。

 プロ10年目の今季は、捕手陣で最多となる76試合に出場。特に宮城、山崎福ら左投手の好投を引き出してきた。19年6月に負った左アキレス腱断裂の重傷を乗り越え、ムードメーカーとしても存在感を発揮。打撃も勝負強く、リーグ連覇と26年ぶりの日本一が決まった試合では、それぞれ2安打、3安打を放っていた。

 今季年俸4500万円(推定)は人的、金銭ともに補償が発生しないCランクとみられ、同一リーグでは日本ハムが捕手強化に動く可能性が高い。最下位だった今季はレギュラー格の宇佐見を中心に、支配下の7人全員が1軍出場。攻守に安定感があり、地元・北海道出身でもある伏見の動向を慎重に見守ってきた。

 オリックスも必要不可欠な戦力として評価。年俸の増額に加え、複数年契約を提示してきた。伏見は愛着あるオリックスの残留を含め、他球団の評価を聞くことになりそうだ。

 ◆伏見 寅威(ふしみ・とらい)1990年5月12日、北海道生まれ。32歳。東海大四高から東海大を経て12年ドラフト3位でオリックス入団。通算418試合、打率2割3分8厘、16本塁打、98打点。182センチ、87キロ。右投右打。既婚。