チェルシーは現地2月26日、ロシア人オーナーのロマン・アブラモビッチ氏の声明を発表。経営から身を引くことを明らかにした。

 2003年6月にチェルシーを買収し、その潤沢な資金力によって、2度のチャンピオンズ・リーグ制覇、5度のプレミアリーグ優勝などに導いたアブラモビッチ氏は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領との繋がりが強いとされている。

 そのため、ロシアのウクライナ侵攻を受けて、英国内での経済活動を禁じる、もしくは資産を差し押さえるなどの制裁が科される可能性が報じられていた。『The Times』紙によると、英国政府がアブラモビッチの金融資産を凍結することになった場合、チェルシーは破産する可能性があるという。
 
 こうした状況を考慮しての決断だろう。アブラモビッチ氏は次のように声明を発表している。

「チェルシーFCを20年近く所有している間、私は常にクラブのカストディアンとしての自分の役割を考えてきました。クラブの仕事というのは、我々が今日できる限りの成功を収め、将来を構築することを保証し、我々のコミュニティで前向きな役割を果たすことです。

 私は常にクラブの最善の利益を念頭に置いて決定を下してきました。私はこれらの価値観にコミットし続ける。そのため、今日、チェルシーの慈善財団の評議員にチェルシーFCの経営権を受け渡すことにしました。現在、彼らはクラブ、選手、スタッフ、ファンの利益を守るのに最適な立場にあると思う」

 アブラモビッチ氏の財力を背景にメガクラブとして成長したチェルシーは、この先どうなるのか。今後の展開が注目される。