今月15日に行われた大学入学共通テストの「世界史B」の問題用紙の画像が試験中に流出した疑惑で、受験生とみられる少女(19)が27日、香川県警に出頭したことが捜査関係者への取材でわかった。少女は「私がやりました」と話しているという。警視庁が今後、詳しい事情を聞く。

 関係者によると、流出疑惑では、「高校2年の女子生徒」を名乗る人物が昨年12月以降、家庭教師紹介サイトなどを通じて知り合った東京大の学生ら4人以上とネット通話アプリ「スカイプ」などでやりとり。「共通テスト対策の授業をお願いしたい」などとする依頼に、複数の大学生が応じていた。

 今月15日、世界史Bの試験中に問題用紙を写した画像が大学生らにスカイプで送られ、大学生らが共通テストの問題と知らされずに時間内に解答を返信していた疑いが判明。大学入試センターから通報を受け、警視庁が同センターの業務を妨害したとする偽計業務妨害容疑を視野に、捜査を開始していた。

 警視庁が、捜査で把握した依頼者の名前について同センターに照会したところ、50万人近い当日の受験者の中に同姓同名の人物はいなかった。警視庁は、偽名を名乗っていた可能性が高いとみている。

 警視庁は、解答を返信した複数の大学生らから任意で事情を聞き、スカイプの記録や画像を確認した。画像については、何らかの電子機器で撮影されたものとみて調べている。

 また、警視庁は家庭教師紹介サイトの管理者側から、会員登録に使われたメールアドレスや携帯電話番号、クレジットカード情報などの提供を受け、大学生らに解答を依頼した人物の特定を進めている。