栃木県日光市山久保で6日、天然氷の切り出しがあった。天然氷は山のわき水をゆっくり凍らせるため緻密(ちみつ)で雑味がない。かき氷やウイスキー・焼酎などを飲むグラスに入れる氷として人気が高まっているといい、2月から全国各地に出荷される。

 日の出前の午前6時。気温零下7度。1894(明治27)年創業の製氷業「松月氷室」の製氷池(約1千平方メートル)で作業が始まった。先月22日からわき水を池に引き入れ、1日ごとに1センチ前後の厚みを増していった。氷づくりに適した寒波に恵まれたため、例年より4日ほど早く、平均15センチの厚さになったという。

 1枚は縦77センチ、横50センチ(重さ48キロ)。2カ所の池で計4800枚分ができる。吉新昌夫社長(62)は「天然氷で酒を飲むと味が壊れにくい。かき氷にすれば、ふわふわとして口当たりがいい。今年は透明感があって厚みも理想的。良い出来栄えだね」と売り込んだ。