横浜市がカジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致を進めるのに反対する市民団体「一人から始めるリコール運動」(広越由美子代表)は5日、林文子市長のリコール(解職請求)をめざす2カ月間の署名活動を終えた。11月29日時点の署名数は7万943筆。市長解職の是非を問う住民投票に必要な約50万筆の達成は厳しい情勢だ。

 昨年8月末から署名集めに協力する「受任者」を募集し、これまでに5万1千人余りが登録。受任者1人が10人の署名を集めれば必要数に達する計算だが、届けたはずの署名簿はまだ約1万7千部しか戻ってきていないという。最終盤に向けて増えてきた署名簿の返送を今月10日まで待ち、最終的な署名数を集計する。

 リコール運動は署名集め最終日の5日、市内全18区で街頭活動を展開。横浜駅西口前(西区)で署名に応じた中区の夫婦は「日本にはカジノは必要ない。まして横浜にできるなんてとんでもない」と話し、「身近にカジノ反対の人がたくさんいる」と署名簿を持ち帰った。

 広越代表は「林市長は市民の声を無視して勝手にカジノを進めた。多くの人が自分の意思を示した重みを感じてほしい」と語った。15日には署名数を発表するとともに、市長への要望書を提出するという。