没後二十年
いまだに鮮烈な想いの残る夭折した友人がいます。
正確にはコック業から事務職に転向した際の初の年下の上司でした。
叱咤激励
辛抱強い彼は、通勤途中の交通事故で他界しました。
身体の半分がなくなってしまうほどの事故です。
告別式の席での彼のご母堂様の仰せが耳朶に残ります。
「右側は、お見せできません。左側は、お化粧しました。
どうか、この子の最後の顔を見てあげてください」
ドラマの見過ぎじゃないか。
というくらい鮮やかに思い出されます。
そのご母堂様のお言葉が心を揺さぶります。
本日は、彼のお墓参りです。
東京 新宿区 神楽坂
その寺院は、信じられないくらい静寂に包まれています。
人様の墓石の前に立ち、その場で涙が溢れた。なんて出来過ぎですよ。
ねえ。
君は、永遠の眠りの中でも
ひょっとして
生前にお付き合いのあった人たちの幸せを願っているでしょう?
なんだかさ。
病気で生き延びることができた時、手伝ってくれたの?
お墓の石は何も仰せにはなりません。
彼の名と彼の血族のみなさまのお名前をつげるだけです。
墓石と睨めっこするような何分か。
それでもいいのです。
友よ 静かに
安らかに
眠れ。
そのうち
あの世の先輩としてお目にかかるでしょうから。











